みなさんディセントというゲームをご存知でしょうか。
いえ,知らなくともご安心ください。
それを紹介するためのブログです!
ディセントはオーバーロード陣営1人と英雄陣営2〜5人に分かれ,各陣営がクエスト(=小目的)の達成を目指すゲームです。
ボードゲームというよりは,ドラゴンクエストなどのRPGに近いイメージでしょうか。
面白いゲームなのですが,いままで紹介してきたボードゲームとくらべると非常に複雑で,複数のクエストをおこなう仕様上プレイ時間も長いゲームです。
そこでこの記事では,そんなとっつきにくいディセントのプレイしやすさを向上させるため,プレイエイドを作成していきます。
まずはゲームの紹介から始めましょう。
■目次
▶ゲームの紹介/概要▶モンスターの区別
▶キャラクターシート
■ゲームの紹介/概要
闇に潜む邪悪な輩どもに、自らの存在をけどられぬように、可能なかぎり音を立てないようにしながら、彼らはこっそりと石段を降りていった。レオリックの魔石から滲み出るうっすらとした輝きは、ほとんどこの塊のような闇を貫くことはできなかった。ジェインはゆっくり矢をつがえ、優しく弓弦を引いた。それに応じて彼女の後ろでトンブルの小さな影がナイフを回転させる。「ヤツはこのあたりにいるぞ」アヴリックは囁いた。「構えていろ」
「ようこそ、勇敢な英雄」すぐさま、闇の中から強靭な声が響いた。「ちと奥深くまで来過ぎましたな! ここであなたがたの冒険が終わるなんて、残念なことですが……」その声は、甲高い笑い声になって遠くに消えていき、同時に数十ものモンスターが影から現れ、英雄を囲んだ。この部屋ではすぐに、戦火の口火が切られるだろう。
というのがこのゲームの序文です。
英雄陣営はオーバーロードから与えられるクエストを達成し,最終的にはオーバーロードを討伐して世界に平定をもたらすために戦います。
一方オーバーロードは英雄のクエスト達成を阻み,世界に闇をもたらさんと戦います。
そんな2陣営の戦いの一場面を見てみましょう。
クエスト1:最初の流血 より
このように森や古代の遺跡,暗黒のダンジョンなどのマップの上にモンスターやキャラクターのコマが置かれます。
マップはあらかじめ決められており,クエストによってボスモンスターやNPC(=英雄・モンスター以外のキャラクター)などが登場します。
クエスト1のボス,壊し屋モーラー
モンスターや英雄のコマは,このゲームの魅力のひとつです。
ドラゴンやエレメンタルなどの大型モンスターから,洞窟グモやゾンビなどの小型モンスターまで。
英雄コマ。英雄は全8人の中から気に入ったキャラクターを選べる。
英雄はそれぞれ異なるステータスや特殊能力をもちます。
クエストを達成すると経験値を獲得して成長し,より強くなった状態で次のクエストに挑むことができます。
英雄シート。キャラクターの外見も個性的。
と,ここまではこのゲームの魅力を簡単に説明してきましたが,ここからは問題点。
まずルールが非常に複雑です。
ルールブックをごらんください。
ルールブック。A4サイズでしょうか?
その厚さ
そして文字の細かさ(ほとんどの文字を読めないようにハイライトを上げています)
こんなにたくさんのルール,初見では絶対に把握しきれません。
そして盤面の煩雑さ。
各キャラクターやモンスター,NPCごとに体力やスタミナがあるのですが,どのモンスターの体力がいくつあるのか非常にわかりにくいのです。
ゴブリン・アーチャー4体と英雄2人。どのゴブリン・アーチャーがダメージを受けている?
最後にプレイ時間の長さ。
全20のクエストがあるのですが,最後まで遊びきろうとしたらおそらく数日では終わりません。
TRPGで遊ぶ人からするとよくあることかもしれませんが,大半のボードゲームよりは長いプレイ時間です。
クエストガイド。先ほどのルールブックとは別の冊子。
強いて言えば,このゲームの重量が重いということもありますが(Amazon曰く,2.5kgあるようです),このゲームの大きな問題点は「ルールの煩雑さ」「盤面の煩雑さ」「プレイ時間の長さ」の3つ。
プレイ時間は仕様なので仕方がないところですが,ルールはもっとわかりやすくしたい。ルールの理解が進めば,ルールブックを開く時間を省略でき,プレイ時間も短くなるかもしれません。
というわけで今回の記事では,ディセントのプレイを助けてくれる小道具を作っていきます。
■モンスターの区別
まずはモンスターの区別から。先の写真を見てもわかるように,私のモンスターコマには青・黄・緑・赤のシールが貼ってあります。
(本来は何の区別もない,全く同じコマです)
これで「赤のゴブリン・アーチャー」「青のゴブリン・アーチャー」等,それぞれのモンスターの区別をつけます。
これは「世界のボードゲーム」でboardgameaddictionさんが紹介している方法です。とても便利だったので真似をさせていただきました。boardgamegeek.blog.fc2.com
このゲームでは1つのクエストで出てくる1種類のモンスターは最大4体なのでこの4色で間に合います。
まずはこれでプレイ中にどのモンスターで行動したのかわかりやすくなりました。
■キャラクターシート
そして同様に「世界のボードゲーム」でboardgameaddictionさんが紹介している方法から,モンスター・NPCのライフ管理用シートを作ります。boardgamegeek.blog.fc2.com右側は対応する色のモンスター・NPCの体力置き場で,左側はNPC・モンスターのステータス表示です。
モンスター用として使う場合,各モンスターにはステータスを表すカードが用意されていますので,それを左側に置きます。
NPC・村人の体力表示。NPCも最大4体しか登場しないので同じシートを利用する。
ゴブリン・アーチャーの体力表示。NPCのステータス表示の上にカードを置く。
各ゴブリン・アーチャーの体力。カードの上にあるのはボス・ゴブリン・アーチャーの体力。
このゲームでは残念ながら,NPCのコマがないため,NPCに4色のシールを貼ることができません。
そこで,4色のコマを用意しました。
いろいろなゲームでお馴染みの彼ら。
ボードに置くとこうなります。
さて。
ここまでだとboardgameaddictionさんのアイデアを拝借しただけになってしまうので,少しだけ手を加えました。
それがこちら。
NPCのライフ管理用シート
各シートに該当NPCのステータスだけでなく,とることのできるアクションも表記しました。これでもういちいちクエストガイドを見なくとも安心です。
そして,シートの左側には該当するキャラクターに近いイメージの透かしをいれてあります。
これがあったほうが雰囲気が出ると重いませんか?
ドラゴンロード・グリヴォルン
最強のシャドウ・ドラゴン,コーライト
コス枢機卿
老騎士パラモン卿
民兵
守備兵
シートの裏面は透かしイラストなしver.になっている。
さて。
最後にこのシートの作り方も紹介しましょう。
エクセルでA3サイズのシートを作ります。
そのシートの中に,B7サイズになるようにステータス表を作ります。
といってもつくるのもなかなか手間でしょうから,私が作ったものをアップしておきます。ちなみに,透かしの画像を入れてないファイルです。www.dropbox.com
透かしのイラストに見覚えのある方もいるかもしれませんが,これは大人気カードゲーム Magic the Gathering のイラストです。
公式の壁紙集から拝借しました。
WALLPAPERS | MAGIC: THE GATHERING
Wallpaper of the Week Archive : Downloads : Daily MTG : Magic: The Gathering
トリミングしちゃってるけど個人利用だから許してくださいWotCさん。
印刷するとこんな感じです。
A3サイズのシート。B7サイズを8枚取れる。
そしていつもどおり裁断機でカットしていきます。
裁断機。裁断機好き。
カットしたものを硬質のカードケースに入れると……
硬質カードケース。B7サイズだと100円で3枚入っているものが買えてお得。
完成です!
コーライトは特別なキャラクターなので右側の4色を取り払っている。
ということで今回はNPC・モンスターまわりの整理までおこないました。
今回のシールとシートのおかげで,盤面がかなり見やすくなりました。
次回はルールの早見表を作っていきます。
弊ブログ3度めの登場の裁断機。えっ!? まだ裁断機持ってないんですか!?
ディセント第二版。2.5kgもあるのでグラム単価はたったの2.76円です。お得!