魔術師の力が勝敗を分ける
八人の魔術師
人数:2人
ルールの難しさ:★★★☆☆
プレイの難しさ:★★☆☆☆
プレイ時間:20分
■目次
▶ゲームの紹介/概要▶ゲームの流れ
▶プレイ感
■ゲームの紹介/概要
魔王の死に起因する魔族たちの勢力争い。プレイヤーは魔界貴族であり,伝説の「八人の魔術師」を呼び覚ました。魔術師や魔物たちの力を借りてこの不毛な戦いの覇者になろう!……というのがこのゲームの大まかな設定です。
魔術師や魔物たち。これらをまとめて戦闘カードとよぶ。
プレイヤーは同じ内容の山札を持ち,その中から5枚を手札とします。
戦闘カードにはそれぞれ数字と能力が書かれており,各戦闘ではこの数値や能力を比べていきます。
20枚の戦闘カード。これが1人のプレイヤーの山札となる。山札の内容自体はふたりとも同じ。裏面は赤と青がある。
このゲームの勝敗は神秘の力を持つ魔石の数で決まります。ゲームの終了時,相手よりも多くの魔石を得たプレイヤーが勝者……というのは少々正確ではありません。
魔石。緑は1個2点,透明のものは1個1点。
ゲーム開始時,各プレイヤーはこの魔石を4つ(緑1個,透明3個)持っています。
しかしこの魔石,ただ持っているだけでは真の力を引き出せません。
5枚の手札(戦闘カード)を駆使して,相手よりも多くの勝利数を得て始めて魔石の真の力を得る(=得点化に成功する)ことができるのです。
ゲームではこの5枚の手札を使った戦いを4回繰り返し,得点化した魔石の点数を比べ多いほうが勝利します。
ゲームの大まなか流れとしては次のようになります。
①手札を補充する
②今回賭ける(=勝利した場合に得点化する)魔石を決める
③手札から戦闘カードを1枚ずつ出し,強さを比べる(どちらかが3回勝利するまで,または手札の5枚を出し切るまで繰り返す)
④「③」で勝利数の多かったプレイヤーは魔石を得点化する
⑤「①〜④」を4回行う
⑥最終的に得点化した魔石の多いプレイヤーの勝利
この③で戦闘カードを1枚出すことを「1ターン」,①〜④までを「1ラウンド」,①〜⑥までを「1ゲーム」とよびます。
1ラウンドは(最大)5ターンから成り,1ゲームは4ラウンドから成るということになります。
ちょっとわかりにくいでしょうか?
まぁ細かい話は追ってしていきますので,いまは「なんだか入り組んでるなぁ」くらいに思っておいてください。
■ゲームの流れ
ゲームが始まったらまずは手札の補充です。 デッキをよく切り,上から10枚を手札に加えます。
その後,不要な5枚を選び,それらを山札に戻しましょう。
残った5枚がこのラウンドでの手札です。
まずはじめにカードを10枚確認し……
必要な5枚を選ぶ。残りは山札に戻す。
手札の補充ができたら賭ける魔石を決定しましょう。
その魔石は,自分がこのラウンドに勝利した場合に得られる得点です。
緑の魔石を賭ければ2点,透明の魔石を賭ければ1点が得られます。ただし,負けた場合その魔石は失われますし,場合によっては相手に奪われることもあるので注意が必要です。
互いに魔石を出す。先攻から順に選んでいく。今回の赤は1点の魔石を,青は2点の魔石を出した。
賭ける魔石が決まったらいよいよゲームの中心,相手との対戦です。
先攻のプレイヤーは手札から戦闘カードを1枚選び,表向きで場に出します。
このときに特殊効果を使用することもできます。
今回先攻(赤)が第1ターンに出すカードはゴブリン。元々の強さは1だが,先攻で出すと2になる。
先攻がカードを出したら,後攻はそのカードを見てから手札の戦闘カードを出します。
このときも特殊効果を使用できます。
後攻(青)が出すカードは豪腕の巨人,サイクロプス。強さは3。特殊能力は今回は特に意味なし。
両プレイヤーが戦闘カードを出したらこのターンの戦闘です。
戦闘は,特殊な効果が発生していなければ基本的に数値の大きいカードが勝利します。
戦闘に勝利したカードは縦置きのまま,戦闘で負けたカードは横向きにします。
もし数値が同じだった場合,相打ちということで互いに横向きにします。
第1ターンの戦闘結果。3のサイクロプスが2のゴブリンを叩き潰して勝利。サイクロプスはそのまま縦置き,ゴブリンは横置きになる。
このターンで勝利したプレイヤーは次のターンの先攻になります。
これをどちらかのプレイヤーが合計3ターン分勝利するか,5ターン目が終わるまで繰り返します。
3勝した場合はそのプレイヤーが,5ターン目が終わるまでゲームが続いた場合はより多くのターンで勝利を収めたプレイヤーがそのラウンドでの勝者となります。
2ターン目の先攻(青)はダークエルフを出す。強さは1。相手の手札を覗き見ることができる。後攻(赤)は強さ2のゴーレムを出した。このラウンドで勝利すれば,ゴーレムも1点の魔石として扱える。このターンは赤の勝利。
3ターン目の先攻(赤)。「腕利き」の魔術師。強さは3だが,相手が同値でも勝利できる。
3ターン目の後攻(青)。ドラゴンを出す。強さは4。このラウンドは青の勝利。
4ターン目の先攻(青)。「無効化」の魔術師。強さは4で,このターン相手の魔術師の効果を無効にする。
4ターン目の後攻(赤)。ミノタウロス。元々の強さは1だが,出したターンによって強さが変わる。4ターン目では強さ3扱い。
4ターン終了時。ここまでで青が3ターン分勝利しているためラウンドが終了。第一ラウンドは青の勝利となる。
勝利したプレイヤーは,最初に賭けた自分の魔石を得点として扱えます。さらに3ターン分の勝利を収めていた場合,ボーナスとして相手が賭けた魔石も自分の魔石として得点化することができます。
1ラウンドが終わったら,このラウンドで使用したカード・手札はすべて捨て札にします。
そして勝者がスタートプレイヤーになり,次のラウンドを始めます。
これを4ラウンド分繰り返し,最終的に得点化した魔石の多いプレイヤーが勝利となります。
■プレイ感
はじめて遊んだときは「ターン」と「ラウンド」にいまいちピンとこなかったものの,それさえ乗り越えてしまえば非常に面白いゲームです。ゲームの仕組みのうえでは相手の戦闘カードを見てから自分の戦闘カードを後出しできる後攻が有利なのですが,カードの能力としては先攻のときに強くなるものがあります。
先攻だと強くなるカード。
しかし「このカードで勝利/敗北した場合」に発動できる能力をもっている戦闘カードもあるため,やはり基本的には勝敗を意図的に決められる後攻が有利でしょうか。
そのターンの勝利/敗北によって効果が発動するカード。「好機」の魔術師が飛び抜けて強力だが,2で単純に勝てる機会はほとんどない。
また,最初に10枚引いてそこから手札の5枚を選ぶため,ある程度手札の融通を利かせられるのはとてもいいところ。
ここでの手札選択がいちばん楽しかったりします。
このゲームは,やはり山札の内容を完全に把握してからが本当の勝負です。
相手がそれまでに出したカードを見て,そこから相手の手札や次に出してくるカードを推理します。
特に4ラウンドめは,お互いに手札の中身が(それまでのラウンドで使ったカードからの消去法により)バレているため,より1手のカードの出し方が重要になってきます。
難を挙げれば,カードの効果が重なったときの正確な処理がカードからは読み取れないことと,任意効果と強制効果の違いがカードからは読み取れないことでしょうか。
1つめの難点は,たとえば「逆転」の魔術師の効果適用中に,サイクロプスとヒュドラの戦闘になった場合,勝つのはどちらかというような話です。
上記の状況。「逆転」の魔術師の効果適用中はカードの強弱が逆になる。そしてサイクロプスの効果は「ヒュドラに勝利する」。この場合,サイクロプスの効果が適用されて勝つ? それとも「逆転」の魔術師の効果でヒュドラが勝つ?
上で書いたとおり,これについてカードの上では読み取れないのですが,説明書にはきちんと説明がしてあります。ですので,遊ぶ分にはあまり問題にならないでしょう。
次に2つめの任意効果と強制効果の違いがカード上ではわからないという話ですが。上の説明では省いたものの,カードの効果には発動してもしなくてもよい「任意効果」と必ず発動する「強制効果」があります。
しかし,この2つの効果はカードにかかれたテキストからは読み取れません。
「特権」の魔術師とゴブリン。魔術師の効果は任意効果(先攻であっても効果を発動せず,強さ0として扱ってもよい)で,ゴブリンは強制効果(先攻ならば必ず強さ2として扱う)です。
これに関しても説明書にはしっかりと書いてあるため問題ないと言えば問題ないのですが,やはり気になってしまいます。
これらの簡単な見分け方は「強さ0の魔術師はすべて任意効果,それ以外はすべて強制効果」です。覚えておくと便利でしょう。
そんなわけで多少の難はあるものの,何度か繰り返し遊べる前提なら2人用ゲームとしてはかなり好きな部類でした。
軽く遊ぶ目的でも十分楽しめますが,個人的にはやはりしっかりと考えて遊びたいところ。
最初の10枚から何を手札に残すか,強大な魔術師の力をいつ使うか。
「相手の魔石を得点化する」場合があるため,魔石の数で多少優位にたっても気は抜けません。逆に言えば,不利な状況に立っても逆転の目は十分に残されています。
相手の捨て札まできっちり考えて動かないと勝てなくなってしまう,とても良いゲームでした。