スカルキング
人数:2〜6人
ルールの難しさ:★★☆☆☆
プレイの難しさ:★★☆☆☆
プレイ時間:30分
■目次
▶ゲームの紹介/概要▶ゲームの流れ
▶プレイ感
■ゲームの紹介/概要
本記事はボドゲ紹介 Advent Calendar 2017 - Adventarのために書きました。
スカルキングは最初に配られた手札を見て,自分がゲーム中に何回勝てそうか宣言し、その宣言通りに勝てたら得点を得られるというゲームです。
ゲームの話に入る前にお断りですが,このゲームはボードゲーム界隈の人に言わせるとトリックテイキングと言われる類のゲームです。
ゲームの説明書でも「トリック」「フォロー」などその道の用語が出てきますが,安心してください。本記事ではこれ以降それらの用語は使いません。
「トリックテイキング」なんて言葉は知らなくてもスカルキングは十分楽しめます。
さて。
話をスカルキングに戻していきましょう。
スカルキングにはいくつかの種類のカードがあります。
1〜13が書かれた赤・青・黄・黒の数字カード。
数字カード。これらのカードは,数字が大きいもののほうが強い。
どの数字カードよりも強い人魚カード。
人魚カード。2枚しかない。
その人魚カードよりも強い海賊カード。
海賊カード。5枚ある。
そして何よりも弱い,白旗カード。
白旗カード。出した回はほぼ確実に負けとなる。5枚ある。
海賊カードにも白旗カードにもなることができるきまぐれメリー。
きまぐれメリー。海賊カードとして扱うか,白旗カードとして扱うかを出したプレイヤーが決めることができる。1枚だけ存在する。
最後に数字にも,海賊にも強い代わりに人魚の色香にだけは負けてしまう海賊の親分,スカルキング。
スカルキングカード。人魚以外には負けることがない。海賊の親分なので1枚だけ。
これらのカードを使って勝敗を決めていきます。
いきなりカードの強さについて書かれても覚えきれないと思うので,本記事の最下部にゲームのプレイを助ける一覧表(プレイエイド)を置いておきます。ゲームの流れからカードの強さ,得点方法までまとめているのでそれさえ見てもらえば正直この記事読まなくても大丈夫です。
それはさておき,ゲームの流れを見ていきましょう。
■ゲームの流れ
今回は5人でのゲームを想定しながら説明していきます。 さてこのゲーム。
自分の番にやることは何も難しくありません。
手札からカードを1枚出すだけです。
(本当はその前に,配られた手札で何回勝てそうかを予想するんですが,いったんその話は置いておきます。)
最初のプレイヤーが手札を出した。
次のプレイヤーも手札を出すのですが,2番目以降のカードを出すプレイヤーにはルールがあります。
最初のプレイヤーが数字カードを出していた場合
最初のプレイヤーが色(赤・青・黄・黒)のついた数字カードを出していた場合,以降のプレイヤーが出せるのは同じ色の数字カードまたは数字カード以外の
特殊カードです。ちがう色の数字カードを出すことは基本的にできません。
2番めのプレイヤーの手札。前のプレイヤーが出したカードは青の11。この手札の中で出せるのは青の3,人魚,白旗のいずれか。
ただし,その例外として,同じ色の数字カードを持っていない場合は何を出しても構いません。
3番目のプレイヤーの手札。見事に青以外の数字カードしかない。この場合は好きなカードを出して構わない。特殊カードがあればそれを出すこともできる。
最初のプレイヤーが数字カード以外の特殊カードを出していた場合
2番めのプレイヤーは手札から好きなカードを出します。もしそれが色の付いた数字カードだった場合,3番め以降のプレイヤーは,上と同様のルールでちがう色のカードを出せなくなります。
こうして全員が1枚ずつのカードを出し終えたら,そのカードの中で強さを比べます。
今回出揃ったカード
カードの強さをおさらいすると,以下のようになります
強さ | カード種類 |
---|---|
1位 | スカルキング |
2位 | 海賊(含 きまぐれメリー) |
3位 | 人魚 |
4位 | 黒の数字カード |
5位 | 赤・青・黄の数字カード |
6位 | 白旗(含 きまぐれメリー) |
多少の例外はありますが,上位のカードが出ていると下位のカードでは勝てなくなります。
といわれてもちょっとわかりにくいですね。
いくつかの場合に分けて見ていきましょう。
1.赤・青・黄の数字カードしかない場合
最初のプレイヤーが出した色のカードのうち,一番大きい数字カードを出したプレイヤーが勝ちます。
上の例。最初のプレイヤーが出したカードは青の11なので,勝つ権利があるのは青のカードのみ。その中で最大の数字は11なので最初のプレイヤーが勝つ。赤の13や黄の12は無意味。
2.赤・青・黄・黒の数字カードしかない場合
黒を含んだ数字カードしかない場合,黒のカードの中で最大の数字を出したプレイヤーが勝ちます。最初のプレイヤーが何色のカードを出していても関係ありません。先ほどの表で黒が他の色よりも上位にあったのはこのためです。
例。この場合,黒の5を出したプレイヤーが勝つ。その他の色の数字はどれだけ大きくても無意味。
3.特殊カードが出ていた場合
特殊カードが出ていた場合,より上位の特殊カードを出していたプレイヤーが勝ちます。最初のプレイヤーが何色のカードを出していても関係ありません。
なお,同じ特殊カードが複数枚出ていた場合,いちばん最初にその特殊カードを出したプレイヤーの勝ちとなります。
例。この場合,カードの強さは海賊>人魚>青カード>白旗。海賊カードが2枚あるので,先に海賊カードを出したプレイヤーが勝つ。
といったように,出ているカード内で勝負を決め,勝ったプレイヤーは場にあるカードをひとまとめにして自分の手元においておきます。勝った回数の記録として,です。
さて。ここまで便宜上「勝った」と言ってきましたが,最初に書いた通り,このゲームに勝利するためには,自分の勝ち数を予想しなけばいけません。
これまでのルールを踏まえて,ゲームを始める前に時間を戻しましょう。
今回配られたこの手札では何回勝てると思いますか?
今回配られた手札。5枚なので,最大勝ち数は5。
宣言する数を決めたら,全員で手を突き出し「Yo-Ho-Ho!」の掛け声と同時に指で勝利数を宣言します。
宣言した数を記録しておくためのメモ帳もありますが,10面ダイスなどを用意しておくと手軽です。
10面ダイス。自分の宣言を忘れないよう,その数値を上にしておく
あとは手札の回数分,「全員が順番にカードを出す→強さを比べる」と繰り返すだけです。
手札を使い切ったとき,宣言通りに勝ったプレイヤーは宣言数×20点を獲得します。一方で宣言した数よりも少ない回数しか勝てなかった,あるいは宣言よりも多く勝ちすぎてしまったプレイヤーは宣言と実際の勝ちとの差分×10点を失います。
このゲームでは宣言に届かない場合はもちろん,勝ちすぎてもいけないのです。
手札を使い切るまでを1ラウンドと呼びますが,これを10ラウンド繰り返し,得点の合計がいちばん多いプレイヤーがこの「スカルキング」で勝利します!
もうちょっとだけ続くんじゃ。
得点の話ですが,いくつかの例外があります。
その例外の中でも,勝数0を宣言した場合だけ説明しておきましょう。
勝数0を宣言して実際に1勝もせずに手札を使い切った場合,現在のラウンド数×10点を獲得します。一方で勝数0を宣言しておきながら1回でも勝ってしまった場合,現在のラウンド数×10点を失点します。
なんでそんな変なルールになっているかと言えば手札の枚数に秘密があります。
このゲームでは各ラウンドで配られる手札の枚数はラウンド数と一致します。
つまり,第1ラウンドでは手札は1枚だけ,5ラウンドでは手札は5枚。10ラウンドでは10枚もの手札をうまくコントロールして,宣言を現実のものにしなければなりません。
第1ラウンドの手札。選択肢はが,いわゆる運ゲー。
第5ラウンドの手札。このあたりから宣言が難しくなってくる。
第10ラウンドの手札。これで勝数0を実現するのは至難の業だが得られる得点も大きい。
つまり,ラウンドが進めば進むほど「不本意な勝ち」を拾ってしまう(拾わされる)可能性が出てくるため,勝数0宣言時のリターン・リスクが大きくなっていくわけですね。
その他例外的なボーナス得点については下部のプレイエイドを参照してください。
■プレイ感
これカードゲームのなかでは一番好きです。
3ラウンドあたりまでは「なんだこれ選択肢少ないし考える事ないじゃん」と思いながら手札を出していきますが,5ラウンドめあたりから「神様……生意気なことをいってすみませんでした」と思い始め,10ラウンド目では皆「これがこうなるから……宣言は……あぁ…」などとうわごとを言い始めます。
とは言えこのゲーム,無理に宣言する勝数を多くしすぎなければ,宣言通りに運ぶのはそれほど難しくありません。
問題は全員の宣言が大きいとき。
たとえば,第6ラウンドで5人の宣言が「3」「2」「3」「3」「3」などだった場合。
第6ラウンドということは,手札は6枚。つまり,勝ちは6しかないのに勝数宣言の合計は14。
当然全員が宣言通りにいくはずはないのでプレイヤー同士の熱い蹴落とし合いが生まれます。
あるいは「小さい数字を宣言しておけば得点しやすいだろう,誰かが勝手に勝ってくれるだろう」と全員が思ってしまったとき。
第9ラウンドで宣言が「2」「1」「2」「0」「0」だったりするともう脳から何か出てるのがわかるくらい楽しいですね。
このラウンドでの勝ちは9あるのに宣言の合計は5。少なくとも4つは誰かが「望まぬ勝利」を得てしまうことになります。
なんとか「0宣言」の2人に勝たせようとする3人,自分の宣言は通してもう一人の0宣言者を勝たせようとする2人。
なんだこれは。最高のゲームか。
とはいえこのゲームもちょっと難点があります。
まずは宣言数とそれまでの獲得点数の記録が面倒なところ。
一応ゲーム自体に記録用のメモ帳はついているのですが,いちいち書くのは面倒。
ということで前述の通り,宣言数記録用に10面ダイスを,得点記録用にチップを用意しておくと便利です。
10面ダイスとチップ。
もうひとつはカードの強さを覚えにくいところ。
ということでその対策として,手順・カードの強さ・得点などを一覧にしたプレイエイドを作りました。
見やすさを優先しているのでA4印刷で使うことを想定しています。
個人であればご自由に使っていただいて構いませんが,人前で使うときは「これきゅんさんっていうイケメンが作ったやつなんだけど」といってもらえるとまた噂が独り歩きすると思います。
ということでスカルキング。
最高なので騙されたと思って遊んでみてください。
ポーカーチップ。ちょっと高いけど色んなゲームで使えて便利です。
こちらはお手頃価格ですがちょっとチープ。
どこのご家庭でもタンスの奥などを探せば1つは転がっている10面ダイス