編集者はボードゲームの夢を見るか

ボードゲーム好きな新人編集者のブログ。ボードゲームの本を作りたい。

ニムト:10周年記念版(6 nimmt!)

 今回紹介するゲームはこちら。

ニムト:10周年記念版

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人数:2〜10人
ルールの覚えやすさ:★★☆☆☆
プレイの難しさ:★☆☆☆☆
プレイ時間:45分

空気を読んで牛を他人に押し付けろ!


■目次

 ▶ゲームの紹介/概要

 ▶ゲームの流れ

 ▶10周年記念版とは


■ゲームの紹介/概要



 ボードゲーム経験者なら「6 nimmt!」ご存知の方も多いのではないでしょうか。
 冒頭に書いたとおり、空気を読んで他のプレイヤーに牛を押し付けるゲームなんですが、これはその10周年版です。
 10年も続く息の長いゲームも珍しいでしょう。

 さて、このゲームで使うのはカードだけです。

 表。数字が書いてあります。
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 裏。10周年記念版なので牛のアイコンが金色です。(通常版は違いますよね?)
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 ゲーム中は表面中央に書かれている数字を参照します。
 上下に書かれている小さな牛のアイコンはマイナス得点です。

 要はこのマイナス得点になるカードを取らないようにしましょう。というゲーム。
 

■ゲームの流れ



1. 準備

 ではゲームを始めましょう。5人でゲームをしているということで説明をしていきます。
 みなさんに10枚のカードをお配りします。
 これが手札になりますので配られたら確認をしてください。

 そして場の準備をしましょう。

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 手札を配って余ったカードのうち,4枚のカードを表にして数字が小さい順番に並べます。写真の左側に並べた7,11,41,74のカードがそれです。
 この各カードの横にカード置き場があると思ってください。つまり,4列のカード置き場があることになります。

 各列には5枚までカードを置くことができます
 (裏向きで負いているカードは列の説明のためのものです。実際はありません。実際に置かれるのは一番左にある表向きのカード4枚だけです)

 この4枚のカードを置いたらゲームスタートです。

2. 実際のプレイ

 ゲームスタートです。
 全員が手札からカードを1枚選んで伏せます

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 そして全員一斉にカードを表にします。

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 表になったカードを確認したら,表にしたカードのうち,数字の小さいものから確認していきます

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 今回は18です。

 場の各列の最後尾(一番右側)のカードと手札から出したカードのうち一番小さい数字のカードをくらべ,手札から出したカードをその数字よりも小さく,かつ一番数字が近いカードの右横に置きます

 どういうことでしょうか?

 今回「18よりも小さく,かつ一番数字が近いカード」は11です。718よりも小さいですが11のほうが18に近く,417418よりも大きい数字です。

 ご理解いただけましたでしょうか。
 つまり,場の状況はこうなります。

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 このまま残りの4枚も,小さい数字のカードから処理してしまいましょう。
 場にあるカードのうち,くらべるのは各列の最後尾(一番右側)だけです
 最後尾以外のカードはすべて無視してください。

 残りの23,35,43,49はどのように置くかわかりますか?

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 こうなります。

 ゲーム中にすることはこれだけです。
 これを10回,手札がなくなるまで繰り返します
 簡単でしょう?

 手札がなくなるまでを1ラウンドとして,毎ラウンド終了時に全員のマイナス点を計算します。
 何ラウンドか行い,誰かの合計が-66点を超えた時点でゲーム終了です。
 その時点でマイナス点が一番少ない人の勝利です。


「先生,質問です!」
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 「このままだと誰もマイナス点を取らずに終わってしまいます!」

「とても良い質問です。」
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 たとえば何回目かのゲームで,こうなったとしましょう。

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 あなたは73のカードを出しました。そして今はそのカードを置く順番です。

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 この状況で73はどこに置いたらいいでしょうか。
 各列の最後尾のカード8,37,55,81。「その数字よりも小さく,かつ一番数字が近いカードの横に置く」という原則通りに考えると55の横が73の居場所です。

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 ですが,はじめに言いましたね?
 各列に置けるカードは5枚までです。
 6枚目に相当するカードを出してしまったプレイヤーは,その列の5枚を引き取らなくてはなりません

 つまりのこの状況だと,41,43,49,50,55を引き取ります。

 そして今出した73引き取った列の一番左に置きます。そしてこれが新しい列になります。

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 引き取ったカードに書かれている牛の数がマイナス点となりますので,手札とは別にして置いておきます。ちなみに今回の失点は13点です。

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 つまり,「各列の6番目になるカードを出してしまうと,いままでその列に出ていた5枚のカードをマイナス点として引き取らなければいけない」ということです。

 他のプレイヤーの空気を読んで,6番目になることを避けましょう
 
 ちなみにゲーム名のニムト(nimmt)とは,ドイツ語で「引き取る」というような意味の単語です。


 「先生,質問です!」
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 「たとえばさっきの状況で,6はどこに置いたらいいんですか?

 「とても良い質問です。」
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 もう一度さっきの状況を確認しましょう。

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 場の最後尾のカードのうち,一番小さい数字のカードは8です。いつもの「その数字よりも小さく,かつ一番数字が近いカードの横に置く」の原則に従うと,6を置ける場所はありません。

 出したカードが最後尾のどのカードよりも小さい場合,6を出したプレイヤーはどこでもいいので好きな一列を引き取らなくてはいけません
 基本的にはマイナス点が最も小さい列を引き取るべきでしょうか。

 ということで

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 合計マイナス2点の7,8の列を引き取りました。6引き取った列の一番左に置きます


 「先生,質問です!」
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 「余計な小ネタを挟んだせいで,結局どうすればいいのかわかりません!」

 「とても良い質問です。」
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 では流れをまとめましょう。

 

  1. 全員が同時に手札からカードを一枚選んで出す
  2. 出されたカードのうち数字の小さいものから3.の処理をしていく
  3. 場の最後尾にあるカードと手札から出されたカードをくらべ,手札から出されたカードを「その数字よりも小さく,かつ一番数字が近いカード」の横に置く
  4. 2.と3.を全員分繰り返す
  5. 2.〜4.を10回繰り返す
  6. もし途中でいずれかの列に6番目のカードが置かれたら,そのカードを出したひとがその列の5枚のカードを引き取り,6番目になったカードをその列の意一番左に置く
  7. もし途中で「場の最後尾にあるどのカードよりも小さいカード」を処理するときは,そのカードを出したひとが任意の一列にあるカードを引き取り,今出したカードをその列の一番左に置く
  8. 何ラウンドか行い,誰かのマイナス点が66点を超えたら終了
  9. 一番マイナス点の少ない人の勝利

 こういうことです。


■10周年記念版とは


 「先生,質問です!」
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 「このルールのどの辺りが10周年記念版なんですか?」

 「とても良い質問です。」
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 実はここまで紹介したのは通常のニムトのルールです。
 10周年記念版にはこれに加え,ジョーカーのカードが存在します。

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 「先生,質問です!」
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 「そのジョーカーはどうやって使うんですか!」

 「とても良い質問です。」
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 とても良い質問なんですが,記事が長くなってしまうのでこのジョーカーの使い方は明日の「ニムト:10周年記念版(後編)」でご紹介します。

 プレイ感もそちらでまとめてご紹介します。
 また明日。


10周年記念版です。


こちらは通常版のニムトです。