昨日の記事に引き続きニムト:10周年記念版です。
■目次
▶前編のあらすじ▶追加ルール
▶プレイ感
■前編のあらすじ
「先生,質問です!」

「ニムトの基本ルールはわかりましたが、10周年記念版の追加ルールがわかりません!」
「とても良い質問です。」
■追加ルール
早速説明していきましょう。
10周年記念版で追加されたのは10枚のジョーカーです。
ジョーカーは0.0〜0.9の1未満の数字をもつカードです。
それではジョーカーを使った場合の拡張ルールを説明していきましょう。
追加ルールにも難しいことはありません。
まず,準備段階でプレイヤー全員にランダムにジョーカーを1枚ずつ配ります。
余ったジョーカーは残りの通常カードに混ぜ,いつも通り各プレイヤーに10枚ずつ配ります。
この段階で全員の手札は,最低1枚のジョーカーを含んだ計11枚になっています。
手札が11枚ですので,ゲームも11回行うことになります。
手札を配り終わったらゲームスタートです。
基本的には通常と同じルールですが,ジョーカーが出るときだけ特別ルールになります。
ジョーカーを出した場合,手札から出したカードの中で一番小さい数字のカードとして扱い,一番最初に処理します。
ジョーカーはどの列に置いても構いません。
これまでは処理するときに各列の最後尾のカードだけを参照していましたが,最後尾がジョーカーの場合,その直前の数字にジョーカーの数字を足した値を参照します。
たとえば,プレイヤーが手札から選んだカードがこの5枚で,
場がこんな状況だった場合。
まずはジョーカーから処理をしていきます。
ジョーカーはどこにおいても構わないのですが,19の横に置くことにしましょう。
するとこの列の最後尾の数字は19.4になります。そして次に置かれる,本来ならば2列目の5番目になるはずだった24を6番目のカードにすることができます。
「先生,質問です!」
「手札から,ジョーカーが2枚以上選ばれていたときはどうしたらいいですか?」
「とても良い質問です。」
手札からジョーカーがジョーカーが2枚以上選ばれていた場合,ジョーカーの数字が小さいものから処理していきます。
つまり,この5枚が選ばれていたら,0.2,0.4,24,35,81の順番で処理することになります。
また,こんなルールがあったことを覚えていますでしょうか。
「出したカードが最後尾にあるどのカードよりも小さい場合,そのカードを出したプレイヤーはどこか一列を引き取らなくてはいけない」
ジョーカーは最小のカードでもありますね。
そのためこのルールに則って,他のカードの横に付けず,どこか一列を引き取ることも可能です。
また,ジョーカーは他のジョーカーの後に連続で置くことはできません。
そのため,もしこの写真のように,
場の全ての最後尾がジョーカーの状況でジョーカーを処理しなければいけない場合,どこか一列を引き取ることになります。
「先生,質問です!」
「列の最初のカードがジョーカーだったときはどうしたらいいんですか?」
「とても良い質問です。」
各列の先頭のカードがジョーカーだった場合,それはカードに書かれたそのままの数字として扱います。
たとえばこんな状況を考えてみましょう。
上から1列目と2列目は先頭のカードがジョーカーです。
そして四列目の最後尾は25.7になっています。
この場合,0.3を誰かが引き取るまで1列目にカードを置くことはできません。
なぜならば,通常のカードは「その数字よりも小さく,かつ一番数字が近いカードの横に置く」が原則です(そしてジョーカーを連続して置くことはできません)ので,1〜13のカードは2列目に,15〜24のカードは3列目に,26以降のカードは4列目に置かれるからです。
以上が追加ルールです。
簡単だったでしょう?
■プレイ感
やっとプレイ感です。
正直,この記事を読んだだけですと,
「カードを出すだけ? 地味じゃない?」
「駆け引きとかなさそう」
などの感想を持つ方もいるかもしれません。
ところがこのゲーム,意外なほど面白い。
思惑はことごとく外されます。
たとえば,4人でのゲーム中にこんな状況になりました。
3列目の44と5列目の101の間にはかなりの開きがあります。
と,いうことは40台のカードを出せば他のプレイヤーがここにカードを置く前に,自分のカードを置くことができるんじゃないでしょうか?
49を手札から出しましょう。
おや?
おやおや?
なるほど
ということになったり,他にもこんな状況が。
56〜100は絶対に出してはいけないカードです。これだけでマイナス20点になってしまいます。
幸い手札に103がありますのでそちらを出しましょう。
最悪,誰かに102を出されて4列目を引き取ることになってもマイナス5点で済みます。
まさかの3で4列目を引き取られました。
そんな
やめて
絶望の6番目
その回で出す手札は全員同時に公開しているため,全員のカードを見てからどこに自分のカードを置くかを決めることができます。
2つめの例で言えば,3を出したプレイヤーは2列目を引き取って自分のマイナスを1点にすることも出来ましたが,あえてマイナス4点を負ってでも私にマイナス20点を与えたかったわけですね。
なんてやつだ。
自分の予想通りにいかないことを楽しむゲームはたくさんあります。
その中でもニムトは10年も続いているだけあり,シンプルなルールにも関わらず十分な駆け引きがあります。
あまりゲームをしたことがない人でも楽しめるゲームでしょう。
1ゲームにかかる時間は45分と少々長めですが,時間を感じさせません。
通常版はかなり安価に手に入るので1つ手元に置いておくことをおすすめします!
10周年記念版。ゲーム自体は日本語ではなさそうです。
通常版。日本語になってます。