編集者はボードゲームの夢を見るか

ボードゲーム好きな新人編集者のブログ。ボードゲームの本を作りたい。

イカサマゴキブリ

今回紹介するゲームはこちら。

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イカサマゴキブリ

人数:3〜5人
ルールの覚えやすさ:★★☆☆☆
プレイの難しさ:★☆☆☆☆〜★★★★★
プレイ時間:20分


 ゴキブリポーカーのシリーズですね。
 あいかわらずかわいらしい害虫たちです。

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 かわいいとは言え,そこは害虫。害虫たちであふれる手札を早くゼロにしたプレーヤーが勝ちです。

 ゲームで使用するカードには1-5の数字が書いてあり,自分の手番に1枚,いま場に出ている数字の前後の数字を持つカードを出すことができます(1と5はつながっているものとして扱います)。

 カードには特殊な能力もあり,その能力をうまく使って手札を捨てていきましょう! というのがこのゲームのコンセプト。
 それぞれのカードを見ていきましょう。

電灯に集まる虫

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 何の効果もありません。
 おもしろくないのでちゃちゃっと捨ててしまいましょう。

ゴキブリ

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 「ゴキブリ〇〇」シリーズ定番のゴキブリ。
 誰かがゴキブリを場に出したとき,そのゴキブリと同じ数字のカードが手札にあったら早い者勝ちでそのカードを場に出すことができます。
 たとえば写真は「ゴキブリの4」なので,場に出すことのできるカードは「4」の数字をもつカードです。

アリ

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 やたらジェントルな雰囲気のアリ。ゴキブリの悪人面が引き立ちます。
 このカードを場に出すと,アリを出したプレーヤー以外は全員山札からカードを一枚引きます。
 基本的に多くカードを持つことは不利なので,引かされてしまったプレーヤーはさっさと手札を捨てていきましょう。

クモ

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 ごきぶりポーカーにいたクモよりも,かなりマイルドなイラストになってますね。
 クモを出したプレーヤーは好きな(嫌いな)プレーヤーに自分の手札からカードを1枚渡せます。

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 蚊。蚊はごきぶりシリーズ初登場でしょうか?
 蚊が場に出たら,蚊を出したプレーヤー以外は全員素早く蚊のカードを叩きます。
 いちばん遅かったプレーヤーにはペナルティ。全員からカードを受け取ってください。
 このペナルティはとても痛いので蚊が出されたらみなさんカードを叩くことだけに集中してください。

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 パッケージにもなっているこの蛾。とても重要なカードです。
 実はこのゲーム,1ラウンドで終了ではなく複数ラウンドゲームを行い,各ラウンドでポイントが蓄積されます。誰かの手札がなくなったときに他のプレーヤーは手札を公開します。
 灰色のただの虫は手札に1枚あるごとに-1点,上記アリ〜蚊はそれぞれ-5点。そしてこの蛾は-10点。
 当然マイナス点は少ないほうが(=失点がゼロに近いほうが)勝ちになりますので,この蛾の‐10点はかなり痛い。

 で,この蛾の効果は何かというと,
このカードを場に出すことはできず,クモや蚊で相手に押し付けることもできない。

 ん?
 ということは運悪く蛾を引いてしまったら,おとなしく−10点を受け入れなければいけないのでしょうか。
 いやだ……そんなのはいやだ……

      |
   \  __  /
   _ (m) _ピコーン
      |ミ|
   /  `´  \
     ('A`)
     ノヽノヽ
       くく

 これを

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 こうじゃ

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 はい。

 はじめから「場に出す」と「捨てる」という表現を分けていたので,お気づきの方もいたかもしれません。
 実は実はこのゲーム,手札を場に出す以外に,気付かれないように手札をどこかに捨てることもアリです。
 つまり,この蛾を引いてしまったら基本的にはこっそり手札から処分するか,おとなしく−10点を受け入れるかしかありません。
 蛾以外の虫を捨ててもOK。

 もちろん細かなルール(1度に複数枚をまとめて捨ててはいけない,手札はテーブルより上の見える位置で持つなど)はありますが,どんな捨て方でも構いません。

「おいおい,カードを捨て放題とかそんなアナーキーなゲームやってられるかよ。」
 そんな保守派なあなたの声にお応えしてイカサマを見張る虫の登場です。

警備虫。

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 キリギリスでしょうか?
 この警備虫は他の虫たちと違って,手札には入りません。

 毎回プレーヤーの1人がこの警備虫役を担当します。
 警備虫になったプレーヤーは,他のプレーヤーのイカサマを見張ります。
 誰かのイカサマを「現行犯で」見つけた場合,警備虫はそのプレーヤーを逮捕してください。

 本当にイカサマをしていた場合,イカサマ犯は正直に罪を告白して悔いるとともに,いま捨てたカードを手札に回収します。
 このとき見事イカサマ犯を捕まえた警備虫は報酬として,手札1枚をイカサマ犯に押し付けることができます。そして警備虫交代です。イカサマをしたプレーヤーが次の警備虫になります。

 もしも本当はイカサマをしておらず警備虫の誤認逮捕だった場合,警備虫はペナルティとして山札からカードを1枚引きます。

 誤認逮捕だった場合のペナルティは逮捕成功時のメリットに比べて軽いので,疑わしきはどんどん罰していきましょう。

 というこのゲーム。
 プレイの難しさを★☆☆☆☆〜★★★★★としましたが,イカサマを全くしないつもりなら★☆☆☆☆,積極的にイカサマをしていくつもりなら★★★★★といったところでしょうか。

 さて説明が長くなりましたがプレイ感。
 イカサマを積極的にしていくひとが多ければ楽しい,といったところでしょうか。

 イカサマをしないとただ手札を1枚出していくだけの凡庸極まりないゲームになってしまいます。反面,イカサマをやりだすととても楽しい。
 いかに警備虫の目を盗んで手札を捨てるか,他人の思いもつかないような方法で手札を処分するか。
 他のゲームでは味わえない駆け引きが生まれます。

 きゅんさんオススメの手札の捨て方は次回紹介!