ひっくり返して押し出すロボットずもう
ロボめん
人数:2人
ルールの難しさ:★★☆☆☆
プレイの難しさ:★★☆☆☆
プレイ時間:15分
■目次
▶ゲームの紹介/概要▶ゲームの流れ
▶プレイ感
■ゲームの紹介/概要
ロボめんは,あなたと対戦相手がそれぞれ3体のロボットを操って競い合う,ストリートロボファイトです。
各プレイヤーの操るロボと初期配置の盤面。
もう少し身も蓋もない言い方をしましょう。
ロボめんは,各プレイヤーが3体のロボットコマを操り,盤上から2体の相手ロボを押し出すと勝ちとなるゲームです。
青のコマが赤のコマを……
押し出す。
このゲームで使用するロボは3種類で,この種類によって押し出す・押し出されるの関係が決定します。
ロボは左から三角,四角,丸(?)の3種類。この先では便宜上,この呼び方でそれぞれのロボのことを表記する。丸がかわいい。
さらにこのゲームの特徴として,磁石の性質を表した動きとロボコマの反転があります。
「S」「N」のアイコンがあるロボコマ
ロボコマには表と裏で異なるロボの種類,SN極が描かれている。
……が,ここでごちゃごちゃと書いてもわかりにくいと思うので,ルールの紹介に進みましょう。
■ゲームの流れ
先にも書いたように,ロボめんは相手のロボ3体のうち,先に2体を場外に押し出したプレイヤーの勝利となるゲームです。ゲームはターン制で進み,自分のターン中にできることは次の2つのうちどちらか1つです。
- 自分のロボ1体を上下左右(例外あり)に1マス移動させる
- 自分のロボ1体の裏表を反転させる
反転というのがちょっとめずらしいですね。先にこのルールを確認してみましょう。
ロボコマの両面には異なるロボのイラスト,SN極のアイコンが描かれています。
6体のロボコマ。それぞれの表面。
それぞれを裏返したところ。位置は上の写真から動かしていない。
ゲーム中,自分の手番行動などによって反転したコマは,再び反転するまでそのままです。
細かい話は追ってするとして,ルールの説明を先に進めましょう。
このゲームで相手のロボを押し出すためにはいくつか方法があります。まずはもっとも基本的な対決から紹介しましょう。
対決は文字通り,移動や反転の結果として自分と相手のコマが隣接したときに発生する場合があります。
対決の発生。右側で赤の三角と青の四角の対決。
対決に敗れたロボは,対戦相手のロボがいた方向と逆方向に1マス押され,押された後に反転します。
3×4の盤外に押し出されると,そのロボは退場。敗北が一歩近づきます。
赤の三角と青の四角の対決の結果,赤の三角が番外に押し出されて退場(対決の勝敗の決め方は後述)。
さてその対決の勝敗ですが,隣接したロボの種類で決まります。
三角のロボは丸のロボに勝ち,丸のロボは四角のロボに勝ち,四角のロボは三角のロボに勝つ……
文字だとわかりにくいですね。
下の写真を見てください。
対決の勝敗。じゃんけんのような三すくみになっている。
上でも書きましたが,対決はじゃんけんのようなものだと思うとわかりやすでしょうか。
ロボの形もなんとなく三角はチョキ,四角はグー,丸はパーのように見えてきませんか?
というわけで,対決をまとめましょう。
- 移動や反転で異なる種類の相手ロボと自分のロボが隣接すると発生
- 同じ種類のロボと隣接しても発生しない
- 勝敗はじゃんけんのように決まる
- 負けたコマは1マス押され,反転する
ここまで読んで細かな疑問をもった方もいるかもしれませんが,まずは大筋の話をしてしまいます。
相手ロボを押す方法は何も対決だけではありません。
せっかくロボがS極とN極という磁石の特性をもっているので,この特性を利用したハンパツとヒキアイという動きがあります。
ハンパツは対決と異なり,移動や反転の結果自分と相手の同じ種類で同じ極をもつロボが隣接した場合に発生します。
ハンパツの発生。中央で赤のN三角と青のN三角が隣接。
ハンパツが発生した場合,双方のロボコマは相手がいる方向と反対向きに1マス押され,その後反転します。
ハンパツの結果。磁石の反発のようにお互いがお互いを押し合う。
その後両者が反転する。
対決と同様,ハンパツの結果として盤外に押し出されたロボは退場です。
磁石のもうひとつの特性を表現した動きがヒキアイ。
これは,自分の同種ロボが隣接したときに発生します。
ヒキアイが発生。これだけではなんの効果もない。
このとき,ヒキアイを発生させた(移動してきた)自分のロボに相手の同種で同極のロボが隣接している場合,相手のロボだけがハンパツして押し出されます。(その後,相手ロボは反転します。)
ヒキアイ発生前。この後,青のN三角が右へ移動する。
ヒキアイ発生。本来であれば赤と青のN三角がハンパツするが,青の三角はSとNでヒキアっているため,赤のN三角だけがハンパツする。
ヒキアイ後。1マス押し出された(元)赤のN三角は裏返ってS丸になっている。
この対決,ハンパツ,ヒキアイの動きがロボめんの基本となります。
ちょっとごちゃごちゃしてきましたね。
表にまとめてみましょう。
同じ極 | 異なる極 | |
自分の同種ロボ | なにもなし | ヒキアイ |
自分の異種ロボ | なにもなし | なにもなし |
相手の同種ロボ | ハンパツ | なにもなし |
相手の異種ロボ | 対決 | 対決 |
これらを駆使して相手ロボ1体を押し出したなら勝利は目の前!
数の暴力でもう1体も押し出しましょう!……と言いたいところですが。
なんとこのロボたちには逆境システムが搭載されています。
自分のロボコマが盤外に押し出された場合,逆境システムが作動して,残り2体のロボは上下左右だけでなく斜め方向へも1マス進めるようになります。移動可能な方向が4方向から周囲8方向に増えるわけですね。
そして相手のロボコマを2体盤外へ押し出せば勝利です!
と,ひと通りの説明を終えたところで,おそらく多くの方が疑問に思っているであろうことを解決していきましょう。
Q1.対決やハンパツで押し出される方向に他のロボコマがあったらどうするの?
A1. いっしょに押されます。
押し出される方向に(自他問わず)他のロボコマがある場合,そのコマも一緒に押されます。
例1:青S三角の移動前の状況。このあと,青S三角は上方向に移動する。
例1:青S三角の移動時の状況。赤と青のS三角がハンパツを起こす。
例1:本来は両者のロボコマが1マス押されて反転するだけだが,赤が押される方向にS四角があったため,S四角もいっしょに押された。(その後S三角は両者反転)
Q2.移動・反転の結果,複数のロボコマと対決・ハンパツ関係になったらどうするの?
A2. 12時方向から時計回り処理していきます。
複数のロボコマと対峙した場合,移動したロボの持ち主から見て12時方向から時計回りの順に処理していきます。
よって,先に処理したハンパツ等の結果によっては,その後起こるはずだった処理が起こらないこともあります。
例1:青S三角の移動前の状況。このあと,青S三角は上方向に移動する。
例1:青S三角の移動時の状況。12時方向の赤N丸とは対決(勝利),3時方向の赤S三角とはハンパツが起こる。
例1:12時方向の対決を処理。赤N丸は1マス押され,反転。(S四角になる。)
例1:3時方向のハンパツを処理。お互いのコマが1マス押される。赤S三角は盤外へ。(その後,青S三角は反転してS四角になる。)
例2:青S三角の移動前の状況。このあと,青S三角は上方向に移動する
例2:青S三角の移動時の状況。12時方向の赤S三角とはハンパツ,3時方向の赤S四角とは対決(敗北)が起こる予定。
例2:12時方向のハンパツを処理。両者は1マス押され,反転。
例2:3時方向の対決を処理。……するはずだったが,ハンパツの結果,青S三角(反転後青N四角)と赤S四角が隣接しなくなったため対決は不発。
Q3.対決・ハンパツの結果,別のロボコマと対決・ハンパツすることになったらどうするの?
A3. 基本的には通常と同様に対決・ハンパツの処理をしていきます。
対決・ハンパツで押されて反転した結果,移動先で別のロボコマと対決・ハンパツする場合,基本的には通常通り対決・ハンパツをおこないます。
ただし,そこでの対決・反発後の移動→反転の結果,何度も同じ対決等が起こるなら2回めの対決・ハンパツ後の反転はおこないません。
■プレイ感
最初はちょっとややこしいものの,慣れてきて視野が広がると攻め方が見えてくるゲームです。というか,最初の頃は「コマは両面ちがうし,移動も1マスずつだし,いくらでも攻め方あるじゃん!!」と思っていたのが,慣れてくると「この攻め方をするとハンパツして対決が起きて味方が落とされる! でもこっちにいくと次に相手が反転したときに落とされる!! 詰んでる!!」というような先々の手まで見えてきて「ここに打つしか無い!」というパターンもまま出てきます。
最初の頃に感じるややこしさの原因は「コマの裏側が見えない」ということでしょうか。
コマの裏表対応表はあるものの,やはり直感的にわからないのは大きいかなと。
そんな場合のためのコマの裏側の覚え方ですが,
N極が表になっているとき,その裏側にあるのは表側のロボに対決で負けるロボのS極です。
逆にS極が表になっているとき,その裏側にあるのは表側のロボに対決で勝つロボのN極です。
たとえば,N極の三角ロボの裏側はS極の丸ロボですし,S極の四角ロボの裏側はN極の丸ロボになっています。
これさえ覚えてしまえばかなりゲームを進めやすくなるでしょう。
このゲーム,シンプルに対決やハンパツで相手を押し出すこともあるのですが,押し出す方向に他のコマがいた場合,一緒に押し出すというルールがなかなか重要です。
3×4と狭い盤面に6体のコマがあるため,この連鎖して押される状況がよく起こります。特に横は3マスしか無いため,自分のコマと相手が同時に盤外に押し出されることがあります。
また,複数コマとの対決等は12時方向から時計回りに処理するというルールを利用して,相手の駒を2体同時に盤外へ押し出すことも可能です。
青のS三角が上に進んできた状態。まずは3時方向の赤S三角とハンパツを起こし赤S三角が盤外へ,青S三角が左へ押されることで赤のS四角は一緒に押されて盤外へ。
また,同様に12時方向から処理することを利用して,あえて対決で負けることで相手の駒を押し出す手も生まれます。
青のS三角が上に進んできた状態。まずは3時方向の赤S四角との対決に負け,青S三角が左へ。それにより赤のS三角は一緒に押されて盤外へ。(その後青のS三角は反転)
このあたりの複数ギミックを使った動きがとても好きです!!
特に最後のあえて負けて相手を押し出すという動きが気に入っています。
昔のコロコロコミックに載っていそうなロボの絵も個人的には好みです。
難を言えば,ルールブックが少々わかりにくいことでしょうか。
(対決に負けたら反転するルールは明示的に書かれてはいないようです。)
でもご安心ください! ここまで読んでいただけたなら,ルールのほとんどは理解できています!やったね!
ということで他の将棋系ゲームではなかなか見られない動きのあるこのゲーム。
2人用で簡単なルールのわりにしっかり考えられ(というかしっかり考えないと不意に負け)ます!
やってみましょう!