編集者はボードゲームの夢を見るか

ボードゲーム好きな新人編集者のブログ。ボードゲームの本を作りたい。

戦国ドミノ

戦国ドミノ

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人数:2〜4人
ルールの難しさ:★★☆☆☆
プレイの難しさ:★★☆☆☆
プレイ時間:45分


■目次

 ▶ゲームの紹介/概要
 ▶ゲームの流れ
 ▶プレイ感

■ゲームの紹介/概要

 ドミノですドミノ。みなさんご存知ですかドミノ。
 そう,あの倒すことで有名なドミノですね。
 でも倒さないドミノの遊び方もあって(というかそちらが本来の遊び方),これが結構おもしろいんです。

 まぁそのあたりの話は日本ドミノ協会のHP……ではなく,日本ウノ協会の「倒さないドミノ部」に詳しく書かれているので興味のある方は読んでみてください。

 さて。
 今回の戦国ドミノは,そんな「(倒さない)ドミノ」の仕組みを使った国取りゲームです。なお,以降では「ドミノ」はすべて「倒さないドミノ」を指します。

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 さてこの戦国ドミノ。要するに「ドミノタイルを戦場においていき,城をたくさん取ったら勝ち」というイメージのゲームです。
 細かい話は色々とありますが,なんとなくそんなイメージなんだな,くらいで思っておいてください。

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 戦国ドミノで使用するドミノタイル。上下にそれぞれアイコンが書かれている。

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 戦場シート。この各マス目にタイルを置いていく。

 ドミノで使うタイルは上下に分かれていて,それぞれにサイコロの目のようなアイコンが書かれているものが一般的です。ゲームとしては場に出ているタイルと同じ目をもつタイルをつなげていくのが基本的な遊び方でしょうか。

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 一般的なドミノタイル。遊び方はいろいろあるが,同じ目同士をつなげることが多い。

 一方でこの戦国ドミノでは,ドミノタイル(=戦力タイル)に描かれているのは刀隊,長槍隊,弓隊,騎馬隊,旗印,鉄砲隊といったテーマにあったアイコンです。

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  6種類のアイコンが入っている。

 それぞれアイコンの数は数値を表し,刀隊=1,長槍隊=2,弓隊=3,騎馬隊=4,旗印=5,鉄砲隊=6を意味しています。上下の数値の合計がそのタイルの戦力値となり,この数値や戦力値を比べながら国取りをしていきます。

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 左から,1と2の戦力値3,3と4の戦力値7,5と6の戦力値11となる。

 戦場は大きく4つのエリアに分けられており,それぞれのエリアで誰が城を取るか,戦場に強い(=数値の大きい)タイルを置いていけるかを競います。

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 太い線で区切られた,4つのエリア。それぞれで城を取っていく。
 後はゲームの流れを見ていきましょう。


 

■ゲームの流れ

 ゲームが始まったら自分の陣営(織田信長,武田信玄,上杉謙信,毛利元就)を決め,戦力タイルと総大将タイル,手元を隠すためのついたて,花トークン18個を受け取ります。
 
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 ゲーム開始時の状態。

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 相手側から見たついたて。


 花トークンは城を取るために使ったり,戦場の花道を飾るために使ったり……詳しい話は後述します。

 ここから各戦場で戦力タイルを置いていくわけですが,先に国取りの話をしてしまいましょう。

勝つための方法

 第一〜四の戦場で城を取る(=国取り)ためには,各戦場で多くの花道を飾らなければなりません。

 細かい話は置いておくとして,なんだかんだゲームが進みこういう局面になったとしましょう。

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 第一戦場のある場面。


 各縦列・横列にこれ以上タイルを置けなくなったらその戦場での争いは終了して,花道の獲得に入ります。
 各縦列・横列(=花道)で数値(=タイルに描かれているアイコンの数)の合計が最大のプレイヤーはその花道を飾ることができます。

 どういうことかといえば,下の図のとおり,縦列・横列(=花道)をそれぞれ参照していきます。


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 タイルを置けなくなったら,列単位で数値を比べる。

 一番上の横列を見てみましょう。青の数値(=タイルに描かれているアイコンの数)合計は2,黄色が7,黒が9です。

 この合計値が最大だった黒のプレイヤーはこの列の花道を獲得することができ,花トークンを置くことができます。

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 黒の花道が飾られた。

 ゲームが進み、同じように各縦列・横列について確認をしていくと,このように花道が飾られます。

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 各縦列・横列の計算後。数値合計が同じだった場合などについては後述。

 すべての花道が確定したら,その戦場内でいちばん多くの花道を飾ったプレイヤーはその戦場にある城を取ることができます。

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 花道の数が最多の青は城エリアに花を飾ることができる。

 これを繰り返していき,2つめの城を取る13個の花道を飾ったプレイヤーの勝利になる,というのがこのゲームの大まかなところです。


 さて。
 なんとなく勝ち方がわかったところでゲームの流れに戻りましょう。

 今回使う戦力タイルをよく混ぜ,その中から5枚を引き,ついたての後ろに隠します。

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 引いたタイルはついたての後ろに隠す。

タイルを置く順番の決定

 
 この5枚の中から今回使用するタイルを決めたら,まずはそのタイルを自分の前に出し,戦力値を宣言します。

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 赤のは1+5のタイルを出した。戦力値は6。

 その後,判定エリアのその数値の場所に花トークンを1つ置きます。

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 判定エリア。ここに置いた花トークンの位置で,タイルを戦場に出す順番が決まる。

 ほかのプレイヤーも同様にタイルを選び,花トークンを置いていきます。

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 全員がタイルと花トークンを置いた。


 そして花トークンを小さい位置に置いているプレイヤーから戦力タイルを戦場に置いていきます。

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 この場合,青→黄→赤→黒の順番でタイルを置いていく。

 問題は戦力値がかぶった場合。前のプレイヤーの宣言を見てから後のプレイヤーがタイルを選ぶので,実質は「意図的に同じ戦力値を出してきた場合」ですね。

 その場合,同じ判定エリアに置かれた花トークンを最後尾の×エリアに移すことになります。

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 六に2つの花トークンが置かれた場合。

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 2つとも×エリアへ移動する。

 その場合,あとから置いたプレイヤーの花トークンを上に置いた状態で移動します。
 そして,この×エリアに移動したプレイヤーはほかのプレイヤーのタイル配置が終わった後,上に花トークンを置いている(=後からそのタイルを出した)プレイヤーから順にタイルを置いていくことになります。

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 この場合,黄→黒の順でタイルを配置した後,上にある青→赤の順でタイルを配置する。

タイルの配置

 ようやくタイルを配置します。
 先程決めた順番で配置を進めていきますが,基本的なタイル配置のルールは現在の戦場内で,すでに置かれているタイルのうち1つ以上と少なくとも一辺が同じアイコン同士で接していることです。
 「現在の戦場内」というのは,1マスでも現在の戦場内にかかっていれば,もう1マスは他戦場へはみ出してもOKです。

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 タイルの置き方。すでに置かれている黒の2+4タイルと2の辺を接した状態で青のタイルを配置した。

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 タイルの置き方2。すでに置かれている黄色の3+5のタイルと3の辺で接した状態で赤のタイルを配置した。片面は他戦場へ出てもOK。


 ただし,最初だけはほかのタイルがないため第一戦場の城マスに隣接させた状態で好きなタイルを配置することができます。

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 最初の一手。中央の城マスに隣接して配置する。


 ここで問題になってくるのは選んだタイルを配置できなくなってしまった場合
 タイルを選んだ時点では置けるはずだったものが,ほかのプレイヤーにタイルを置かれてしまい,場所がなくなってしまうことがあります。

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 タイル配置前。右下の1+6の黄色とつなげたいと思い,赤は2+6のタイルを選んでいた。

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 青が1+6のタイルを選び,赤よりもタイルを置いてしまった。この状態では赤の2+6のタイルを配置できる場所がない。
 注:撮影時のミスで青の2/4タイルの横に次の戦場へはみ出す形で2/6タイルを置けるようになってしまっています。後ほど修正しますので現在は「置けないことになっている」と思ってください。

 配置できるタイルがなくなった場合,そのタイルはゲームから取り除かれて自分の番は終了します。
 花道を取るためにはタイルを置いていかないとお話にならないので,この強制パスは致命的です。

 しかしそんなときに役立つのが,ゲーム中一度だけ使える総大将タイルです。

総大将タイル

 総大将タイルは通常の戦力タイルの代わりに「0.5+0.5」,戦力値1のタイルとし配置することができます。
 総大将タイルは特別で,どのタイルとでも隣接させることができるタイルです。

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 4つの総大将タイル。

 使い方は次の2通りです。

  1. 自分が戦力タイルを配置するとき,選んでいたタイルの代わりに戦場に出す
  2. タイルを置く順番を決めるとき,手元の戦力タイルから選ぶ代わりに戦力値1のタイルとして出す

 1は前述の「自分のタイルを置けなくなるとき」などに,その置くはずだったタイルをゲームから取り除き,代わりに配置することができます。(通常通り置ける戦力タイルの代わりに出しても構いません)


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 上の状況の続き。赤の2+6のタイルを配置できなくなってしまったため,代わりに総大将タイルを配置する。総大将タイルはどんなタイルとでも隣接できる。

 2は順番を決める花トークンを置くとき,手元の5枚からタイルを選ぶ代わりに戦力値1のタイルとして選ぶことができます。

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 順番を決めるときに総大将タイルを出した。戦力値は1なので,ほかの総大将タイルが出てこない限りは最初に総大将タイルを置くことができる。
 

手番の終了

 タイルを1枚置いたら,手元のタイルが5枚になるように補充して自分の番は終了。次のプレイヤーのタイル配置に移ります。

 このとき,タイルを置けなくなった縦列・横列(=花道)があれば花道獲得のチェックを行います。

 前述の通り,各列で数値の合計が最大のプレイヤーがその花道を獲得します。ただし,同じ最大値のプレイヤーが二人以上いた場合,そのプレイヤーたちは花道獲得の権利を失い次点のプレイヤーが花道を獲得します。
 次点のプレイヤーも複数いた場合,誰もその花道を獲得できません。

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 一番下の花道が埋まった状態。黄色と青の数値合計が6で最大だが,最大値が2人いるため黄色と青は権利を失い,次点で2の赤がこの花道を獲得する。


 そして10本の花道が埋まったら,城取りに移ります。前述の通り,花道獲得数が最大のプレイヤーがその戦場の城を獲得しますが,こちらも花道同様,同じ最大値のプレイヤーが二人以上いた場合,そのプレイヤーたちは城取りの権利を失い次点のプレイヤーが城を取ることになります。
 次点のプレイヤーも複数いた場合,誰もその城を取れません。

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 すべての花道が埋まった状態。青と赤の数値合計が3で最大だが,最大値が2人いるため青と赤は権利を失う。次点は黄色の2なので黄色が城を取る。

次の戦場へ

 城取りを終えたら,次の戦場へと進んでいきます。
 途中で以下の条件のどちらかを満たしたプレイヤーが出た場合,その場でゲームは終了し,そのプレイヤーの勝利となります。

  • 2つの城を取る
  • 自分の13個の花道トークンを花道に置く

 第四戦場を終えても上記の条件が満たされなかった場合,獲得した城の数を比べてもっとも多いプレイヤーの勝利となります。

 それも同じならば,城の獲得数が最大のプレイヤー間で花道の獲得数を比べて多い方の勝利です。

 それも勝敗がつかなければ,手札に残った戦力タイルの戦力値合計がいちばん大きいプレイヤーの勝ちになります。


■プレイ感

 タイル配置の苦しさが楽しい!

 城を取るためには基本的に数値の大きい戦力タイルを出さないといけませんが,戦力値の大きいタイルを選んだ場合,戦場に出す順番は後に回されてしまいます。

 後に回されるということは,置きたかった場所にほかのプレイヤーがタイルを置いてしまうかもしれないということ。

 かといって先に戦場にタイルを配置するために小さい戦力値のタイルを出してしまうと今度は花道を取りにくい。

 どの花道を取り,どの花道は諦めるのか見極めることが大切でしょうか。

 あるいは自分のタイルの戦力値が小さくても,他の人がタイルを置けなくなうように戦場に配置すれば一気に有利になります……がこれはちょっと難しい。

 総大将タイル含め,どのタイルをどのタイルをどのタイミングで使うか最後まで気が抜けないゲームです。

 また,タイルを出す順番・花道獲得・城取りで同じ数字がかぶると不利になってしまうのもおもしろいところ。
 
 数字を被せることは意図的にできるので,トップを叩くためにあえて数字を合わせることもできますがそうすると当然自分も不利になる。
 しかしそれでもやらないといけないときがあるのが漢の花道。

 肉を切らせてでも最終的な国取りを目指しましょう。



 現在通販はほとんど品切れ……?
 4月1日のゲームマーケット大阪で再販するそうなので,その後はまた通販が復活するでしょうか……?
 discoverygames.blog.fc2.com


 こちらは普通のドミノ。遊び方は日本ウノ協会HPを参照してください。