クリスマス感を出していきましょう。
枯山水
人数:2〜4人
ルールの難しさ:★★★★☆
プレイの難しさ:★★★☆☆
プレイ時間:60分
■目次
▶ゲームの紹介/概要▶ゲームの流れ
▶プレイ感
■ゲームの紹介/概要
枯山水。ご存知でしょうか。水を使わずに砂や石で山水を表現したアレです。
実際の枯山水。(flickr:https://flic.kr/p/oA6KBx , Paul VanDerWerf.)
そんな枯山水をつくるのがこのゲーム,枯山水です。
わかりやすくていいですね。
各プレイヤーは自分の庭園ボードを用意します。
庭園ボード。このボードに見える庭園に意味はない。
その後禅僧駒,作庭家カード,名庭園カード(それぞれ効果は後述)を受け取ってゲームスタートです。
左から禅僧駒,作庭家カード,名庭園カード。作庭家カードと名庭園カードはランダムに配られる。
ゲームが始まったら庭園ボードに砂紋タイル(以下,タイル)や石を置き,自分だけの枯山水を作り上げていきます。
砂紋タイルや石が置かれている寺院ボード。この寺院ボード上からタイルや石を取って自分の庭園ボードに置く
ゲーム終了時の枯山水。タイルや石の置き方によって得点が変わる。タイルは絵柄が自然につながっているほど得点が高い。
ときには座禅やタイルの譲渡で徳を積み,ときには他人のタイルを強奪し,最終的にもっとも得点の高い枯山水を完成させたプレイヤーの勝利となります。
徳ポイントトラック。徳が貯まると石を置くことができるようになる。
俗世のイベントに心を揺さぶられることなく,澄んだ気持ちで庭園をつくっていきましょう!
■ゲームの流れ
枯山水はプレイヤーごとのターン制でゲームが進んでいきます。プレイヤーのターンは大きく手順1と手順2に分かれます。
手順1はタイルを引く時間,手順2は石を置いたり座禅を組んだり,タイルを引く以外の行動をする時間です。
手順1
手順1では寺院ボードからタイルを引いた後,そのタイルの配置,譲渡,保管,破棄のなかから1つを選んでおこないます。
寺院ボード。ここからタイルを引く。
配置
自分の庭園ボードにタイルを置きます。
最初の1枚を引いた場合はボードの左上か左下に置き,その上に禅僧駒を乗せる。
最初のタイルを配置した。
2枚目以降はすでに置いているタイルと縦横で隣接するように置きます。
このとき,タイルの絵柄はつながっていなくても構いません。
2枚めのタイルの配置。緑(苔)が不自然に切れているが,置くだけなら問題ない。ただし失点になる(後述)。
譲渡
他のプレイヤーからの希望があれば,今引いたタイルをそのプレイヤーに譲渡することができます。
譲渡されたプレイヤーは「配置」のルールでタイルを自分のボードに置き,譲渡したプレイヤーは徳ポイントを2点獲得します。
徳ポイントを2点獲得。このポイントに応じて手順2で石の獲得などができる。
破棄
引いたタイルが不要なものだった場合,それを配置せずに捨てることができます。
この場合,徳を1点失います。ですので徳が0点の場合は破棄をおこなえません。
保管
各庭園ボードにはタイルの仮置き場が1箇所あり,各プレイヤーは引いていたタイルをそこに一時的に保管することができます。
仮置き場に置かれたタイル。
保管したタイルは次以降の手順1時に自分の庭園ボードに配置することができます。
「今は必要ないけどあとで役に立ちそう」というタイルを確保しておいたり,「このタイルは誰もいらなそうだし捨てたいけど徳がないから捨てられない……」というときに苦し紛れに置いたりします。
以上が手順1。ここからは手順2を見ていきます。
手順2
手順2では座禅,石の設置,禅僧の移動,作庭家カードの使用から1つを選んでおこないます。
座禅
座禅を組みます。座禅を組むことで徳ポイントを1点獲得します。
徳ポイントトラック。上限は6点でそれ以上は徳を得られない。
石の設置
現在の徳ポイントをすべて消費することで該当の石を獲得することができます。
寺院ボード上にある石。全5種類。
たとえば徳ポイント2点を持っていた場合,得られるのは横石か立石(小)という石です。
消費した徳に応じて得られる石の一覧。徳は必ずすべて消費するため,お釣り(?)は発生しない。
石を獲得したら,自分の庭園ボードに配置します。
配置できるのは禅僧駒がいる縦列だけです。
立石(小)の配置。禅僧駒と同じ縦列に置いた。
また,細かいルールとして舟石は各プレイヤー1つまでしか配置できない,苔タイル上にある石以外は石を隣接して配置できないというものもあります。
禅僧駒と同じタイル上に置いた場合には,石を配置すると同時に禅僧駒を移動させることができます。
禅僧駒の移動
禅僧駒を上下左右のタイル上に移動させます。
作庭家カードの使用
ゲーム開始時に配られた作庭家カードを使用します。
作庭家カード。全9種類。
ゲーム中1回しか使用できませんが,どの作庭家も便利な能力をもっています。
以上が手順2です。
このゲームでは基本的に自分のターンにしか行動ができないのですが,例外が1つだけあります。
それが強奪。
他のプレイヤーがタイルを配置したときに宣言することができ,その配置したタイルを強奪します。
強奪したタイルは即座に自分の庭園ボードに置くことができますが,徳ポイントが2点下がります。
徳を削って君だけの最強の枯山水をつくろう!!
以上がゲーム中にできる行動です。
これを繰り返していき,全員の庭園ボードに15枚のタイルが埋まったらゲーム終了です。
あとは得点計算するだけ……なのですが,これが非常にめんどくさい。
まずはわかりやすいところから見ていきましょう。
得点計算
砂の基礎点
庭園上で緑の苔タイルが入らない,砂タイルだけでできた最大の長方形の得点です。タイル1枚につき1点。
右下の2×3が苔が入っていない最大の長方形。6点獲得。
苔の基礎点
緑の苔タイル1枚につき2点。わかりやすくていいですね。
対称性ボーナス
横列が1列でも左右対称になっていれば,1列につき5点。
渦ボーナス
砂紋タイルの中には渦を描くようなタイルがあるのですが,これが真円,半円を構成していた場合得点になります。
真円の場合,使用したタイル1枚につき2点,半円では使用したタイル1枚につき1点。
4枚のタイルから構成された真円が1つ,1枚のタイルから構成された半円が1つ。合計9点。
砂紋の評価
庭園ボード上のタイルの絵柄がすべて自然につながっている場合,7点。
ただし,1つでも不自然に絵柄が途切れてしまっている場合,1箇所につき2点減点です。
絵柄が途切れた庭園。左上の苔と右下の砂紋が上辺で不自然に途切れてしまっている。-4点。
石の基礎点
庭園に置かれた石1種類につき2点。
名庭園
最初に配られた名庭園カードには石の置き方が書かれています。
その指示通りの場所に石があった場合,カードに書かれた得点を得ます。
名庭園カード。実在の庭園が全14種類。
徳
使用しなかった徳ポイント1点につき1点。
石組みの評価
石の置き方の組み合わせによってボーナスポイントが入ります。……が,これが特にめんどくさい。
種類が多いですし,各プレイヤーに渡されるサマリーシート上では文字がごちゃごちゃとしてしまって見る気がなくなってきます。
ということで,石組のボーナスについては一覧を作りましたのでこちらをご覧ください。
枯山水_石ボーナス.pdf - Google ドライブ
以上の得点評価を踏まえ,もっとも得点の高い枯山水をつくったプレイヤーが勝利です!
その芸術性と創造性を褒め称えましょう!!
■プレイ感
一時期話題になったこのゲーム。石が本当に石だったり,同じ種類の石でもひとつひとつ見た目がちがうため,見た目にまでこだわった枯山水をつくることができます。
勝敗にかかわらず,ゲーム終了時のボードには謎の満足感があるのが特徴かもしれません。
ゲームとしては,基本的には自分のターンにしか行動がないためのんびりとした進行になることが多いです。
とはいえ,誰の番であってもタイルをめくるときにはドキドキしますし,譲渡,強奪があるので他の人が引くタイルに注目しておく必要もあります。
(あまり)他の人に干渉されずに一人で庭を作り上げていきたい人も,ガンガン徳を消費して他の人のタイルを奪っていきたい人も,それぞれの楽しみ方ができます。
強奪については「このタイルを配置すると強奪されそう。強奪されるくらいなら他の人に譲渡したほうが徳か……?」というちょっとした駆け引きが生まれますし,なにより「徳を消費して強奪」するという語感にパワーがあり,一見すると地味なこのゲームにさまざまな角度からおもしろさを足してくれる要素になっています。
なお,わが家での通称は「徳パンチ」です。
という枯山水。
お正月に家族みんなで遊びにも渋すぎる気がします(しちょっと複雑かな?)が,1回遊んでみて損はないでしょう。