今日はサイコロを積み上げましょう。
チキンダイスの塔
人数:2〜5人
ルールの難しさ:★☆☆☆☆
プレイの難しさ:★☆☆☆☆
プレイ時間:15分
神に近づくため臆病風に吹かれずに塔を建築する
■目次
▶ゲームの紹介/概要▶ゲームの流れ
▶プレイ感
■ゲームの紹介/概要
我々は、チキンな愚民。神に少しでも近づくため、「チキンな塔」の建造に取り組む。塔が建造された暁には、ひとりだけ、神と成り得よう。しかし、志半ばに等が崩壊してしまえば、よりチキンになってしまうため、ヤケクソにならなければならない。
(チキンダイスの塔 ルールブック『概要』より)
チキンダイスの塔は,サイコロを天高く積み上げていくゲームです。
ほかのプレイヤーが臆病風に吹かれて建築を断念する中,たったひとりで,高い塔を積み上げることができれば高得点を得られます。
ただしチキンダイスの塔を崩してしまうプレイヤーにはペナルティも……。
さっそくゲームを見てきましょう。
■ゲームの流れ
このチキンダイスの塔はターン制で進んでいくゲームです。このゲームで使うのは,まずこの大小様々なサイズのサイコロ。
15個のサイコロ。8ミリ角から16ミリ角まで,大きさは5種類。
そして得点計算用のボードとコマです。
得点計算ボード。最初はすべてのコマを0のマスに置く。
ゲームが始まったら,まずはすべてのサイコロを思い切って振ります。
サイコロを振ったところ。当然出目はバラバラ。
すべてのサイコロは,このゲーム(ラウンド)中はこの目で固定されます。
最初のプレイヤーは,このサイコロの中から,いちばん目の小さいサイコロをひとつ選んで机の上に載せます。
さて,このゲーム中にできることはサイコロを積んで塔をつくるか頭を作ることを諦めてゲームから降りるかのどちらかです。
2番目以降のプレイヤーは,塔をつくるか降りるかを選びます。
ゲームから降りる場合,このゲーム(ラウンド)中は手番が回ってきません。
塔をつくる場合,残ったサイコロの中から同じようにいちばん目の小さいサイコロをひとつ選んで,前のプレイヤーが置いたサイコロの上に積んでいきます。
5人のプレイヤーがサイコロを積んだチキンダイスの塔。同じ目のサイコロが複数あるときは,好きなサイコロを積む。
無事にサイコロを積むことができたプレイヤーは,今積んだサイコロの目の数だけ得点を得ます。
終盤近いチキンダイスの塔。このサイコロを積んで得た得点は「5点」。
得点を得たら,その分だけ得点ボードの自分のコマを進めましょう。
しかしもし塔を崩してしまった場合,塔を崩したプレイヤーは積まれていたサイコロの数だけ得点を失います。サイコロの個数分,自分の得点コマを後退させてください。
得点ボード。少々わかりにくいが,得点がマイナスになることもあり得る。
すべてのプレイヤーが塔の建築を諦めて降りるか,誰かが塔を崩したらそのゲームは終了です。
これを5回繰り返し,最終的な総得点の高いプレイヤーが勝利です!
……これに加えもうひとつ追加のルールがあるのですが,これは買ってから確認してくださいということで,ここでは伏せておきます。
■プレイ感
わりとシンプルなルールのバランスゲーム……に見えるチキンダイスの塔ですが,ただ積めばいいというわけではないのがおもしろいところ。まずはバランスゲームとしてですが,サイコロの大小がさまざまなおかげで単純に積み上げるだけでもなかなか苦労をします。それに加え,当然ほかのプレイヤーは誰かに塔を崩させようとしてきますので,いちばん小さいサイコロの上にいちばんを大きいサイコロを積んで不安定にしてきたり,わざとバランスを崩して重心が偏った塔をつくってきます。
それらの不安定さをつくるのがサイコロの目という運要素であるところが,ほかのバランスゲームとちがう点でしょうか。
積めるサイコロも,それによって得られる得点もすべてサイコロ次第ですので毎回ちがうゲーム展開になるところは飽きなくてとても良い。
サイコロの目に1や2が多いと,どれだけ高く積んでも得点の少ない塔になりますし,逆に5や6が多ければ臆病風に負けず積み続けることができればかなりの得点を狙える,一発逆転のある塔になります。
いずれにしてもこのゲーム,ほかのプレイヤーが降りた後で一人で塔を積み続けることができれば得点はかなり増えますので,「バランスゲーム」の要素と名前のとおり「チキンレース」の要素があります。
そして個人的にポイントだと思っているのが失点の方法。
このゲームでは誰か一人が得点でリードしてしまうと(上で書いたように逆転の可能性はあるものの),それに抵抗する方法が「そのプレイヤーが降りた後でサイコロを積み続ける」か「そのプレイヤーに塔を倒させる」ことしかありません。
ですので,序盤〜中盤は全員で協力して安定した塔をつくり,終盤では突然バランスを悪くして「降りる」か「崩す」ように仕向けることができます。
現状の得点次第で積み方に戦略が出てくるので,単調なバランスゲームに飽きてしまった人も遊んでみてはいかがでしょうか。
問題は得点ボードの見にくさ。
得点ボードとコマ。
このゲームでは得点が20点を超えたり,マイナス点になったりすることもあるのですが,このボードでは0〜20以外の数字を非常に管理にしにくくなっています。
ですので,得点ボードに加えて追加のメモなどを用意するといいかもしれません。
少々得点を見にくいところはあるものの,バランスゲームとしては異色なこのゲーム。
ふつうのジェンガに飽きた方は遊んでみてはいかがでしょうか。