26歳ですが積み木で遊びましょう。
Villa Paletti(ヴィラ・パレッティ)
人数:1〜4人
ルールの覚えやすさ:★★★★★
プレイの難しさ:★☆☆☆☆
プレイ時間:20分
金はないが天まで届く塔を作りたい!
■目次
▶ゲームの紹介/概要▶ゲームの流れ
▶プレイ感
■ゲームの紹介/概要
みなさんはかの高名な天才建築家,パレッティの建築チームの一員です。ある日,パレッティ氏は思いつきます。
「ヤッベェ…… 高い塔作りたくね?」
パレッティ氏の鶴の一声で世界一高い塔を作ることになりました。しかし,残念なことにパレッティ氏に財力はありません。
けれどもそこは天才建築家。起死回生の策を見つけ出します。
「ヤッベェ…… 下のフロアのいらない柱を抜いて上のフロアの柱に再利用すれば,柱代節約できんじゃね?」
みなさんはパレッティ氏の緻密な計画のもと下のフロアにある柱をどんどん上のフロアに積み上げて世界一高い等を作ることになりました……
というのが我が家でのこのゲームの説明です。
残念なことに,このゲームはドイツ語版のルールブックしか同梱されていないため,背景設定まで翻訳する余力がありませんでした。
とはいえあくまで導入部分なのでハウスルールだと思ってご了承ください。
なお,同様の理由からルールの解釈が間違っている箇所があるかもしれません。
発見された場合は教えていただけると助かります。
さて本題です。
さっそくですが箱を開けてみましょう。
このゲームではカードやコマの類は一切使いません。
出てきたのは20本の柱と数枚の板。
柱と板。柱の太さは3パターンある。
そして謎のフックとマーカーです。
細いフックとマーカー。
ここまでの説明で,9割の方はどんなゲームか予想がついたのではないでしょうか。
ええ。その通りです。
聡明なみなさんはもうこの先を読む必要はありません。
わざわざそんな時間をかけるくらいなら,映画マッドマックスの予告編でも見ていたほうが有意義でしょう。
動画を置いておくのでゆっくりご覧ください。
さて,残り1割の方のために紹介を続けます。
このゲーム,やることはこれらの柱と板を使ったジェンガです。
ただ,崩さなければいいというわけではないのがこのゲームのキモでしょうか。
このゲームの目的は,自分の色の柱を塔のいちばん高いフロアに建てることです。もちろん言うまでもなく,塔を倒してはいけません。
柱は4色各5本あり,4人プレイの場合,それぞれのプレイヤーが1色の柱を担当します。
ではゲームの流れを見ていきましょう。
■ゲームの流れ
まず用意するのはこちらの土台と柱です。土台の上にすべての柱を適当に建てます。このとき,適度に隙間を開けて,各色は散らして置くようにしましょう。

土台の上に柱をおいた図。ゲームの性質上,柱がぴったり並んでしまうと不便。
そしてこの上に,青色の板を置きます。これが第2フロアになります。
青い板をおいた図。板がかからない柱があってもOK。
ここまで準備ができたらゲームスタートです。
このゲームはターン制で進んでいきます。
プレイヤーは,今ある最上階以外のフロアから自分の色の柱を1本抜き取り,それを今ある最上階に建てます。
ゲームを開始した時点でいえば,一番下のフロアから1本を抜き取り,最上階(青のフロア)に置きます。
第一手を終えた場面。赤のプレイヤーが柱を移動させた。
柱を移動させる際の注意としては次のようなものがあります。
- 柱を抜くとき,フックを使ってもいい
- ほかのプレイヤーの柱に触ってはいけない
- 一度抜く柱を決めて触ったら,ほかの柱に触ってはいけない
- 柱を抜くとき,上にあるフロアの床を指で軽く持ち上げてもいい
- 柱を移動させる先は基本的にフロアの上。柱の上に柱を建ててはいけない(例外あり)
フックを使って柱を抜く。
ここで大切なのは,4の「柱を抜くとき,上にあるフロアの床を指で軽く持ち上げてもいい」ルールでしょうか。
上のフロアの重さがその柱の上にかかっていて抜きにくい場合,上のフロアを持ち上げることができます。もちろん,これによって上のフロアの柱を倒してはいけません。
そしてもう1つ。
「一度抜く柱を決めて触ったら,ほかの柱に触ってはいけない」というルールがありますが,柱に触ったときに
「あ,これは抜いたら倒れるやつだ」
とわかることがあります。
そんなときは,挑戦を中断することができます。
中断するときは,柱をもとの場所に戻してターンをパスします。
その場合,二度とその柱を動かすことはできません。(どの柱だか覚えておきましょう)
というルールでゲームを進めていくと,そのうちこんな状態になります。
進行したゲーム。第一フロア柱はあと3本。これ以上は抜けない。
自分のターンで,柱に触る前に「もう抜けない」と判断した場合,新しいフロアを置くことができます。
新しいフロアを置きたい場合は,まずほかのプレイヤーにお伺いを立てます。
誰からも反対意見が出なければ,提案したプレイヤーは残ったフロア用の板の中でいちばん大きいものを好きなように置きます。
提案した人が板の置き方を決められるので,自分に有利になるように置きましょう。
もしフロアを置くことに反対が出た場合(=誰かが「まだ抜ける」と判断した場合),反対したプレイヤーが代わりに,提案したプレイヤーの柱を引き抜きます。
そのプレイヤーが見事引き抜ければ,引きぬいた柱をゲームから取り除きます。引き抜けなければ,反対したプレイヤーの柱を1本ゲームから取り除きます。
このゲームは柱の本数が大切なので,どちらも大きなデメリットです。
さて。
無事に緑のフロアを置くと,ゲーム性が少し変わります。
ここまでは塔をくずしたプレイヤーの負けでしたが,ここからは塔が崩れたとき,マーカーを持っているプレイヤーの勝ちとなります。
ようやく活躍する謎のマーカー。4色の色が塗られている。
いちばん高いフロアにある柱の合計点数が高いプレイヤーがこのマーカーを獲得します。
1点の柱。細い。
2点の柱。六角形。
3点の柱。太い。
緑のフロアをおいてから1手目。緑が3点なのでマーカーは緑が獲得する。
誰かが柱を置いて最高合計点が移動した場合,そのプレイヤーが直前のマーカー所持者の柱の色を上にしてマーカーを獲得します。
ゲーム中の一場面。点数は赤が2点,青が1点,黄色が3点,緑が4点。マーカーは緑のプレイヤーが持つ。
上の写真の次の場面。点数は赤が4点,青が1点,黄色が5点,緑が4点。マーカーは緑色の面を上にして,黄色のプレイヤーに移動する。
この先,塔が倒れてしまった場合はマーカー所持者の勝利となります。
もしマーカー所持中のプレイヤーが塔を倒してしまった場合は,前回のマーカー所有者(=マーカーに示された色のプレイヤー)の勝利です。
■プレイ感
考えれば考えるほどジェンガですね。とは言え,これがなかなかバカにできません。
柱を引き抜くときの緊張感は変わらずですが,柱をどこに置くかによって相手の妨害ができたり,自分の有利な展開に持ち込むことができます。
ルールの説明にも時間がかからず,すぐに遊べるのもgood。箱を見せるだけで大体のルールを理解する人もいるくらいです。
そしてやはり崩れる瞬間はテンションが上りますね。
後半,塔を作ることに集中してしまうと,マーカーの移動を忘れがちになってしまうので気をつけてください。
ちょっと高いのですが,誰とでも気軽に遊べる良いゲームです。
