本駒込図書館の「図書館でボードゲーム」を見てきました
こんにちは。
最近「図書館×ボードゲーム」系のイベントが増えているようですね。
図書館でボードゲームをすることについてはいろいろと議論があるようですが、「単純に利用者からの目線だと」図書館・本に興味を持つフックになることもありそうなのでいいのではないでしょうか。
まぁ深い議論は本職の方々に任せるとして。
11月10日、文京区の本駒込図書館でもボードゲームのイベントがあったので見てきました。
【図書館でボードゲームイベント 11月10日(土)14:00〜】
— コロコロ堂@11/1で3周年! (@korokoro_dou) 2018年11月4日
文京区の本駒込図書館さまにてボードゲームイベントを開催いたします!ボードゲームをよく知らない方でも、お一人でも、お子様でも安心して楽しんでいただけるイベントです。無料ですのでぜひお気軽にご参加ください(ご予約は不要です) pic.twitter.com/hKNFiJ9PDN
ボードゲームカフェのコロコロ堂さんが協力して開催していたようですね。
イベントの会場は集会室だったでしょうか? 閲覧室からは隔離されたスペースでの開催でした。
単純にボードゲームで遊べるだけでなく、そのゲームの簡単な解説と関連書籍が並べられていました。
この選書がすごく良かった。
上の写真は各プレイヤーが理想の家を作るボードゲーム『ドリームホーム』ですが、ここで紹介してる『世界で一番美しい名作住宅の解剖図鑑』がすごく面白い本なんですよね……
これは個人的に好きな本が選ばれていたのでつい紹介してしまいましたが、他にも選書をした方のセンスが光っていました。
『アラカルト』
アラカルト料理をたくさん作るゲーム。写真左側に写っているようにガスコンロとフライパンがついており、フライパンに材料・調味料を入れて火力を調整して料理(ほとんどはゲテモノ)を作っていく。実際に調味料を降ったり、フライパンにいれたパンケーキをひっくり返したり、アクションゲームの要素が大きい。楽しい。
本が「ゲテモノ」「食べる」「調理器具」の3側面から選ばれているのがすごくよかった。おままごと気分で遊べるゲームなのでもう少し子供向けがあっても良かったのかなとは思うものの、このゲームをやったあとだとどんなゲテモノ料理があるのか気になるので『「ゲテ食」大全』はつい読んでしまいました。
「クマ牧場」
自分のボードに牧場を構成するタイルを並べていき、自分だけのクマ牧場をつくるゲームです。
クマの本が並ぶのはもちろんのこと、切り口を変えて個人ボードに書かれた重機の本をおいているのがすごく良かったと思います。結局みんな重機好きみたいなところはありますからね。
『トマトマト』
ランダムに並べられる「トマト」「戸」「的(マト)」「魔」のカードを噛まずに読んでいくゲーム。ちょっとした得点計算はあるものの、基本はこれだけです……って言ってもきっと意味がわからないですね。
プレイ中の動画を上げている方もいますので見てもらえればすぐにどんなゲームかわかると思います。
www.youtube.com
で、本。
トマト関係のものはいいとして、『外郎売』があるのはすごくいいですね。ゲームのテーマからだけじゃなくてシステムからも攻めてくる感じ。早口言葉とはちょっと違いますが、長台詞で有名な外郎売。このゲームが面白かった人はこういう本を音読するのも好きなんじゃないでしょうか。
『大怪獣コトバモドス』
50音が書かれた9枚のタイルを並べ替えて3つの言葉を探し出すゲーム。自分の持っている語彙を駆使するパズルゲームといった印象で、これ自体もすごく面白くておすすめなんですが早く本の話をしたい。本の話をしましょう。
『円谷怪獣のひみつ』が目を引きますがそっちじゃないんです。『アナグラム人名図鑑』。これ。
たとえば「和田アキ子」→「怖い仇(あだ)」のように人名を並べ替えて別の言葉を作っている本です。それだけ。それだけを100ページ以上に渡って掲載している狂気の本。
この本を企画会議通したやつは何考えてたんだ。
それだけでも謎の魅力があるのに、妙に扇情的な挿絵がその謎の魅力をさらに後押しします。この魅力の正体が何なのかはわかりません。
この本を作っていたときの関係者の気持ちを想像するだけでご飯が進みそうな素晴らしい本ですが、なによりこのゲームに対してこの本を持ってきた司書さんがすごい。もうこれだけで本駒込図書館の司書さんを信頼できます。なにか読みたい本を探すときは本駒込図書館に相談に行きます。
という感じで、ゲームのテーマからだけではなくて、ゲームシステムの面からも興味が広がりそうな本が紹介されていてとても良かったです。こういう切り口も含めると紹介できる本がかなり広がって、他のメディアではなくて「ボードゲームを」読書の入り口にする意味があるように感じます。
よく「ボードゲーム買う予算がないので個人所有のものをイベントに使う」という話も聞きますが、ボードゲームカフェとのコラボというのはそれへの1つの回答になるでしょうか。
ゲームもさすがボードゲームカフェが協力しているだけあり、(あまりほかの図書館×ボードゲーム系イベントでは見かけない)幅広い年齢の人が遊べるラインナップでした。
並べられていたゲームは次のようなものです。
- おばけキャッチ
- キャプテンリノ
- ヒューゴ オバケと鬼ごっこ
- 魔法のラビリンス
- ゴーゴージェラート
- スピンデレラ
- インカの黄金
- ストライク
- ネコとネズミの大レース
- 5本のキュウリ
- トマトマト
- アラカルト
- 大怪獣コトバモドス
- 星の王子さまボードゲーム
- ニューヨーク・スライス
- ドリームホーム
- マンハッタン
- クマ牧場
- アズール
- 東海道
私が見に行ったときは子供さん連れの方が多く、にぎやかに開催していました。
結論としてはアレです。
みなさん『アナグラム人名図鑑』を読んでください。