編集者はボードゲームの夢を見るか

ボードゲーム好きな新人編集者のブログ。ボードゲームの本を作りたい。

松永久秀トリック

 一体なんだこのゲームは(褒めています)。

松永久秀トリック

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人数:3〜5人
ルールの難しさ:★★☆☆☆
プレイの難しさ:★★★☆☆
プレイ時間:20分

■目次

 ▶ゲームの紹介/概要
 ▶ゲームの流れ
 ▶プレイ感

■ゲームの紹介/概要

 みなさん,松永久秀をご存知ですか。
 あいにく僕は歴史に関しては造詣が深くないので,日本で最初に爆死した人物であるといわれていることくらいしか知りません。
 「実際はちがう」なんて話もあるようですが,ともかく松永久秀がどんな人物であろうと別にいいんです。
 松永久秀のことを知りたいだけならボードゲームブログを読むよりwikipediaでも読んでいたほうが有意義です。
 
 今回紹介するゲームは「松永久秀トリック」。
 松永久秀が主役……なのかなんなのか,ともかく松永久秀の名を冠したゲームです。


 使用するのは1から8までの数字が書かれた5色のカード,計40枚。

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 使用するカード。それぞれの色のことをスートとよぶ。スートがよくわからなくても大丈夫。もうこの記事の中では使わない言葉です。


 各色の1,2,5,8は武将のイラストが描かれた絵札になっています。

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 絵札。1は松永久秀,2は足利義輝,5は筒井順慶,8は三好長慶。


 これら40枚のカードを手札として配っていき,あるルールにしたがって手札から出していく。
 それだけといえばそれだけです。

 そして強いカードを出した人がカードを獲得するようなしないような,取ったカードが得点になっていくようないかないような,そんな不思議なゲームがこの松永久秀トリックです。

 さっぱり何のことがかわかりませんね。
 ともかくゲームを見ていきましょう。

 ちなみにゲーム名の「トリック」は,このゲームが「トリックテイキング」とよばれるジャンルのゲームであること意味しているのでしょう。
 トリックテイキングってなんのことだかわからない?
 大丈夫。サッカーのオフサイドと同じ,誰も知らない言葉です。気にせずにいきましょう。
 

■ゲームの流れ

 まずは手札を配ります。
 枚数は人数によって変わりますが,今回は4人プレイを想定して10枚です。

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 手札。この10枚の手札を使い切るまでを1ラウンドとよぶ。


 ゲーム中にやることは簡単。
 手札から1枚カードを出すだけです。

 最初のプレイヤーは,手札から好きなカードを1枚出します。
 2番手以降のプレイヤーは,1枚めに出されたカードと同じ色のカードを持っていたら必ずその色のカードを出し,持っていなければ好きなカードを1枚出します。

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 1枚目のカードを出したところ。

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 全員がカードを出したところ。青のカードを出したプレイヤーは,赤のカードを持っていないということになる。

 
 出されたカードのうち,最初のプレイヤーが出したのと同じ色で,かつ一番強いカードを出したプレイヤーがこれらのカードを獲得します。

 では一番強いカードってなんだろうという話になりますが,これは場に出された絵札の数によって変わります。

 出された絵札の数が0または偶数であれば数字が大きいカードほど強く,絵札の数が奇数ならば数字が小さいカードほど強くなります。

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 上の状況では絵札が2枚あるため,数字が大きいほど強いカードとなる。最初のプレイヤーが出したのと同じ赤のカードの8があるため,赤の8を出したプレイヤーがこれらのカードを獲得する。
 

 この獲得したカードですが,絵札以外は使いません。
 絵札だけは枚数がわかるように自分の前においておきましょう。

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 今回獲得した絵札は2種2枚。

 これを手札がなくなるまで(4人プレイなら10回)繰り返し,その後このラウンドでの得点を計算します。

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 1ラウンド目の終了時の状況。獲得した絵札は数字ごとにまとめておくと良い。


 得点計算の方法ですが,自分が獲得した絵札を数字ごとにまとめて,奇数枚集めた数字は全部で1点に,偶数枚集めてしまった数字はすべて0点になります。

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 獲得した絵札。2が3枚,5が1枚,8が2枚ある。2,5はそれぞれ奇数枚あるので1点ずつ,8は偶数枚なので0点。計2点獲得。

 得点計算後,誰かの得点が累計5点を超えていたらゲームを終了します。もし累計で5点に満たなければ次のラウンドに入ります。
 ゲーム終了時点でもっとも高い得点のプレイヤーの勝利です!


 

■プレイ感

 まったくなんだこのゲームは(褒め言葉)

 絵札が重要なゲームであることはいわずもがなですが,絵札を何枚出せばいいのか訳がわからなくなってくること請け合いです。

 ゲームにはカードの出し方と得点についてのサマリーカードがついているのでコレさえ見ておけばOK……と思うかもしれませんが,混乱は避けられません。
 
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 サマリーカード。必要な情報はすべてまとまっているが……


 「今は絵札が1枚だからもう1枚出すと強さが逆転してカード獲得できそう……ああ,でもそうすると今持ってるカードが偶数枚になって……」
 「あいつはかなり絵札を持ってる…けどここで2と5を送れば偶数枚になるから得点は減る!」


 場の強弱と得点の有無を同時に考えるとわけがわからなくなって,最高に楽しくなります。

 カードをたくさん獲得できても各数字を奇数枚にしないと意味が無いため,枚数調整のために他のプレイヤーに「絵札を送る」ことも重要になってきます。

 とはいえカードの出し方には制限があるため,手札に温存しておきたい絵札を出さなければならないことも。

 まったく,思い通りにならないゲームは気持ちがいいですね。

 自分がカードを獲得することを重視するなら,最小値か最大値になる1か8の絵札が重要になってきますが,他のプレイヤーに絵札を送ることを考えると,2と5の控えめな絵札の重要さも見逃せません。

 これまで3回ほど遊んでいますが,いまだにわけがわからなくなってくるいいゲームです。


 ゲームとは関係ありませんが,各パッケージに1枚『推し武将』カードが入っているようです。

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 《裏切りの》三好長慶カード。

 使いみちは特にありませんが,「好きな武将って誰?」と聞かれときには三好長慶だと答えてみようかと思います。