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編集者はボードゲームの夢を見るか

ボードゲーム好きな新人編集者のブログ。ボードゲームの本を作りたい。

はんか通骨董市

 今日は面白いけどちょっとルールがわかりにくいこちら。

はんか通骨董市

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人数:3〜6人
ルールの難しさ:★★☆☆☆
プレイの難しさ:★★☆☆☆
プレイ時間:30分

 手に入れる商品の価値を見極めよう!

 

■目次

 ▶ゲームの紹介/概要
 ▶ゲームの流れ
 ▶プレイ感

■ゲームの紹介/概要

 ゲームのタイトルにもなっている「はんか通(はんかつう)」とは,あることについてよく知らないのに通ぶって知った顔をする人のこと。
 このゲームではプレイヤーは半可通な商人となり,骨董市に並ぶ骨董品を訳知り顔で貰い受けていきます。その商品に価値があるのかないのかのわからずに……。

 ゲームの終了時に持っていた骨董品の価値がいちばん高いプレイヤーの勝利となります……が,1種類の骨董品を多く集めすぎてしまうと価値が暴落してマイナス点になってしまいます
 場を見極めて,ほしい骨董品を適切に手に入れましょう! というゲームです。

 このゲームに登場する商人キャラクターは全部で6人。
 それぞれ色の名前がついた可愛らしいキャラクターです。

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 商人のカード。各プレイヤーは1色2枚のカードを受け取る。

 このカードの裏面にはそれぞれ「」と「」と書かれています。
 この甲・乙を使って骨董品を手に入れるのですが,それは後ほどお話しましょう。

 
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 商人のカードの表側と裏側。ほかの商人にも同様に,表側には甲・乙の文字が書かれている。


 この商人(=プレイヤー)たちが奪い合うのはこれらの品々。

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 骨董品や宝石が書かれたカードたち。


 細かな話をすると,これらのカードは骨董品カード宝石カードアクションカードに分けられ,この3種類をまとめて市場カードとよびます。
 これらのカードを集めて高得点を目指すのがこのゲームです。
 それぞれのカードを見てみましょう。

 骨董品カード
 
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 このゲームの中心になるカードです。全部で7種類の骨董品があり,各骨董品カードは複数枚あります。
 カード下部に書かれている数字はそのカードの得点です。画像左下の「木彫」なら3点です。
 
 問題は数字の下に書かれている絵馬(?)のアイコン。このアイコンは骨董品カードの価値を保てる上限数を表します。
 ゲーム終了時点で各種類の骨董品カードについて手形アイコンよりも多くの枚数を自分が持っていた場合,その骨董品の得点はなくなり,それだけでなく1枚につき-1点のマイナス点となります。

 ちょっとわかりにくいですね。
 たとえばゲーム終了の時点で,自分の持っている骨董品カードがこのような状態だったとしましょう。

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 骨董品カードの状況。茶器が2枚,屏風絵が1枚,水墨画が2枚,木彫が4枚。

 まずは各カードの得点を見てみましょう。
 先ほど書いた枚数の重複を気にしなければ,

  • 8点×2枚=16点
  • 7点×1枚=7点
  • 5点×2枚=10点
  • 3点×4枚=12点

 合計は45点となります。
 ただし,茶器の得点を維持できるのは1枚まで。2枚持ってしまっているので,茶器の点数は-2点になります。同様に木彫の得点を維持できるのは3枚までですが,今回は4枚持ってしまっているので-4点。結果として,合計得点は(-2)+7+10+(-4)の11点になります
 失点が大きい……!

 ということで手に入れないと勝てないけど,手に入れすぎてしまっても勝てないのがこの骨董品カードです。

 宝石カード

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 こちらも骨董品カードと同じように数字分の得点になります。
 ただし,骨董品カードのように絵馬は書いてありません。つまり,何枚とってもマイナス点にはなりません
 その代わり骨董品カードと比べると点数が低めなのが特徴です。

 アクションカード
 
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 直接得点にはならないものの,運が良ければ点数を上げられたり,場合によっては点数が下がったりと特別な効果のあるカードたちです。


 商人たちはこれら3種の市場カードを奪い合うのですが,どうやって奪い合うのでしょうか。
 殴り合い? 権謀術数をめぐらせた騙し合い? 暗殺者を派遣して相手の商人を…… いえいえ。
 もっと穏やかなゲームです。

 どんなゲームなのか見ていきましょう!

 

■ゲームの流れ

 今回は4人でゲームをするという想定で進めていきます。
 (注:ここではルールブックに示されている手順とは異なる手順でゲームを進めていますがゲームの内容に影響はありません。)

 まずは骨董品・宝石・アクションの3種の市場カードをよく混ぜて山札をつくります。

 そしてこの上から10枚のカードをめくり,めくれた順番通りに並べていきます。

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 並べられた10枚の市場カード。順番を変えないように注意!

 この並べられた市場カードが,今回商人が奪い合うカードです。

 そして商人のひとりが仕切り役になり,仕切カード売り場カード2枚,そして元締めカードを受け取ります。


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 右上が仕切りカード。左が売り場カードで右下が元締めカード。売り場カードには「甲」と「乙」の2種類がある。

 仕切り役になったプレイヤーは,並べられたカードを好きなところで2グループに分けます
 この2グループをそれぞれ甲グループ乙グループとよび,それぞれの売り場カードを置いていきます。


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 仕切り役に分けられた市場カード。今回は左側3枚が「甲グループ」で右側7枚が「乙グループ」。


 そして元締めカードを好きな場所に入れます。

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 元締めカードが入って11枚になったカード。元締めはカードとカードの間に置いても,並びの端においても構わない。

 元締めカードの効果は後ほど説明しますので,ゲームを進めましょう。

 カードを甲・乙に分けて元締めカードが入ったらいよいよカードの奪い合いです!


 (仕切り役を含む)各プレイヤーは場に出ている甲グループ・乙グループのうち,ほしい方のグループと同じ商人のカード(甲・乙)を裏向きで出します。
 この商人のカードのことをこれからは選択カードとよんでいきます。

 
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 商人のカードこと選択カード。 甲と乙が書かれている。
 

 全員が甲か乙どちらかの選択カードを出し終えたら,一斉にカードを表にします。

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 選択カードを表にした場面。今回は赤だけが「甲」で残りの3人は「乙」。


 カードを表にしたら,それぞれの商人が貰い受ける市場カードを確認していきます。
 まずは甲グループから見ていきましょう。

 今回「甲」の選択カードを出した(=「甲グループ」を希望した)のは赤の商人ひとりです。
 このように,ひとりだけがそのグループの選択カードを出していた場合,該当グループのカードはすべてその商人のものになります! おめでとう!

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 赤の商人のものになった市場カード。高得点のカードが手に入った! ……が,よく見ると屏風絵がすでに上限枚数オーバー。


 カードを手に入れたプレイヤーは,全員の処理が終わるまでしばらくお休みです。
 次に乙グループを見ていきましょう。

 
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 三人が乙の選択カードを出した乙グループ。

 ひとつのグループにふたり以上が選択カードを出していた場合,この時点では市場カードは誰のものにもなりません。


 仕切り役はこのグループのカードを再び甲と乙の2グループに分けます
 ただし,このとき仕切り役は交代します。一回目の仕切をした仕切り役(=元仕切り役)は,売り場カードと(元仕切り役ががすでに「元締めカード」を受け取っていた場合には)元締めカードを左隣の商人に渡します。この商人が「仕切り役 #2」になります。
 そして仕切り役 #2は残った市場カードを「甲グループ #2」と「乙グループ #2」に分けます。
 このときも,カードの順番は変えないように注意してください。

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 「仕切り役 #2」によって再度分けられた「元・乙グループ」。今度は左側2枚が「甲グループ #2」,右側5枚が「乙グループ #2」(#2は便宜上のよび方)。

 仕切り役が市場カードを分けたら,「元・甲グループ」を選んでいた3人はもう一度甲か乙の選択カードを裏向きで出します


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 二度目の選択カード。今回は青の商人だけが「甲」,残りふたりは「乙」。

 ここからは先程と同じ確認を繰り返していきます。
 まずはひとりだけが「甲」の選択カードを出していたので,青の商人は「甲グループ #2」のカードをすべて貰い受けます。青が「元締めカード」を受け取ったことを覚えておいてください。

 そして「乙グループ #2」には「ふたり以上が選択カードを出していた」ので,仕切り役はまた交代して「仕切り役 #3」になります。「仕切り役 #3」は「乙グループ #2」をもう一度「甲グループ #3」と「乙グループ #3」に分けます。
 その後,「乙グループ #2」を選んでいたプレイヤーは同じように甲・乙の選択カードのどちらかを裏向きで出し,表にします。


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 「甲グループ #3」と「乙グループ #3」。黄色と緑の商人はふたりとも「乙」の選択カードを出した。

 今回,残った二人の商人は「乙」の選択カードを選びました。
 このように,誰からも選ばれなかったグループがある場合,そのグループのカードはすべて千両箱の上に置きます。
 今回は「甲グループ #3」のカードが千両箱に置かれます。


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 千両箱に置かれた「甲グループ #3」のカード。

 このカードはあとで処理をするので,このままにして説明を続けます。

 あとはこの手順を,すべてのカードを分けられなくなるまで続けます。

 「カードを分けられなくなる」とは,以下のどちらかの場合です。

  1. ふたり以上の商人が同時に選んでいるグループがなくなる
  2. カードが1枚だけしかないグループを,ふたり以上の商人が同時に選んでいる

 これまたちょっとわかりにくいですね。
 今回の例で見てみましょう。

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 今回の例。場にあるカードは市場カードが4枚,残った商人は黄色と緑のふたり。仕切り役が「甲グループ #4」と「乙グループ #4」に分けた。

 1. の「ふたり以上の商人が同時に選んでいるグループがなくなる」とは,ふたりの商人がそれぞれ違う選択カードを出した場合です。それ以上分ける必要がありませんね。
 この場合,それぞれの商人が選んだグループの市場カードを手に入れます。

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 1. のケース。お互いに狙っていた市場カードを手に入れることができた。


 2. の「カードが1枚だけしかないグループを,ふたり以上の商人が同時に選んでいる」とは1枚しかない「乙グループ #4」を黄色と緑の商人が選んだ場合です。それ以上市場カードを分けることはできません。

 この場合,それ以上分けることはできないので誰も「乙グループ #4」のカードを手に入れることはできません
 選ばれなかった「甲グループ #4」と誰のものにもならなかった「乙グループ #4」のカードは,すべて千両箱の上に置かれます。

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 2. のケース。結局ふたりとも市場カードを得られなかった。

 市場カードを得られなかった黄色と緑の商人は,代わりに「反物カード」を1枚手に入れることができます。

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 反物カード。kimono cloth。

 反物カードは骨董品カードと同じように5点分の得点になるカードです。
 ただし絵馬が2つ描かれているため,3枚以上集めてしまうとマイナス点になることに注意が必要です。

 
 ここまでごちゃごちゃと書きましたが要するに,

  1. 甲乙の仕切り→選択→甲乙の仕切→選択……を繰り返す
  2. 一度市場カードを手に入れた商人は次のゲームまで休み
  3. ただし1枚のカードしか無いグループを複数の商人が選んだ場合には,その商人たちは市場カードの代わりに反物カードを手に入れて休み
  4. 2〜3を繰り返し,全員が休みになったら次のゲームに入る

 ということです。
 説明が長かった割にシンプルですね。

 そして説明していなかった「元締めカード」の説明です。

 今回は青の商人が元締めカードを手に入れました。
 元締めカードを持っている商人は千両箱に置かれた市場カードをすべて受け取ります

 
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 今回(黄色と緑の商人が反物を受け取った世界)千両箱に置かれた市場カード。

 そしてその商人が次の仕切り役となり,次のゲームを始めます。
 もし元締めカードが千両箱の上に置かれている場合には,千両箱から「元締めカード」だけを回収して,今の仕切り役の左隣の商人が次の仕切り役になります。


 ということを4回繰り返し,合計5ゲームをおこないます。

 そして5ゲームの間で手に入れたカードの合計点の高い商人の勝利です!

 

■プレイ感

 これおもしろいんですよ本当に。
 「2つに分けられたカードのどちらかを選ぶだけ」と言ってしまえばそのとおりですが,おもしろいんです。
 
 まず仕切り役は自分がこれまでに獲得した市場カードや,ほかの商人が手に入れた市場カードを見て,最大限自分の利益になるように市場カードを分けていきます。
 ここがゲームのキモの部分で,堅実に点数を取りやすくするか,元締めカードを狙って一気にカードを獲得するか。仕切り役の性格が出てくるところです。

 上手く分けたとしても,なかなか思いどおりにいかない
 ほかの商人はほかの商人で当然自分の利益を最大化(あるいはこちらに過剰に骨董品を押し付けようと)するためにカードを選びますから,考えていたことが裏目に出ることもよくあります。
 ただ,そんなほかの商人たちの目論みを破ってほしい市場カードを手に入れたときの喜びはなんともいえません!

 説明は長くなりましたが,やっていることはシンプルなので1度やればどんなゲームかすぐにわかると思います。

 というこのゲーム。
 とてもおもしろいんですが,ゲームのシンプルさからはなぜか信じられないくらいルールブックが難解です。
 そこだけが難点でしょうか。
 この記事もルールブックとにらめっこをしながら書いていますが,万一解釈に間違いがありましたらご指摘いただけますと助かります。

 そんなゲームですが,少し手に入りにくいかもしれません。見かける機会があったら買っておくとよさそうですよ!