編集者はボードゲームの夢を見るか

ボードゲーム好きな新人編集者のブログ。ボードゲームの本を作りたい。

ボドがたり! 開催しました

 2015年12月5日,「ボドがたり!」を開催したのでそのご報告&反省用の記事です。

 「『ボドがたり』ってなんだ!」という方は過去の記事をご覧ください。
henbodo.hatenablog.com

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■目次

 ▶イベントとしての話
 ▶「ボドがたり!」自体の話
 ▶ゲームの話
 ▶イベントについてのもうちょっと細かい話
 ▶次回への反省まとめ

■イベントとしての話

 2015年12月5日,「ボドがたり!」を開催しました。

  会場は江戸川区総合文化センターの和室。50名収容可能ということでしたが,ある程度スペースを取ってボードゲームをするなら30人程度が限界かな,という印象です。
 
 30名定員のところ28名の方にご参加していただき,プレゼンター(=ボードゲームについて語る方)には8名の方から立候補をしていただきました。そのため「ボドがたり!」は1枠4人でおこない2枠分おこなうことができました。
 
 はじめてのボードゲーム会の主催ということで至らぬところもあったかと思いますが,ご参加いただいたみなさん,ありがとうございました!

■「ボドがたり!」自体の話

 本題の「ボドがたり!」についてです。

 まず先にお断りを。
 以下の文章の一部を読むと参加者の方の問題点を上げているように見えるかもしれませんが,結論としては完全に「主催者の職業病」ということです。一切は取り越し苦労でしたので,広い心でお読みいただけると幸いです。


 「ボドがたり!」はこのスライドのようなルールでおこないました。

 

 それぞれの部でのプレゼンターの方と,紹介していただいたゲームは以下のとおりです。

第一部

  1. おみ さん:ハイパーロボット
  2. 美夏 さん:S-EVOLUTION
  3. しの さん:クーハンデルマスター
  4. まさのぶ さん:THE GAME ←前半のM.V.P.!

第二部

  1. 起き上がり法師 さん:けもぱに
  2. ぷらとん さん:ユニオンパシフィック
  3. さかもと さん:フレッシュフィッシュ
  4.  さん:ドラスレ ←後半のM.V.P.!

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 後半の翔さんの「ドラスレ」。

 さて。
 参加者の方の発表内容の感想は,参加者(そしてプレゼンターの)ぷらとんさんが書いてくださっているのでそちらをご覧ください。
 
「ボドがたり!」第1回、行ってきました。 - ぷらとん―マイナーゲームのために

 ここではまず私の個人的な感想を。
 いや月並みな表現ですがおもしろかったですね
 「こんなイベントやったらたぶん面白いだろうなぁ」とは思っていたものの,予想以上でした。
 ほとんどが知らないゲームで,「おそらくこの機会で知らなかったら一生知らないままだっただろう」というものもありました。(S-Evolutionやユニオンパシフィックがそうです)
 
 ふだん聞く機会のないゲームへの想いや,「このゲームがどんなふうにどれだけ面白いか」という話を聞けたこともよかったです。自分が知っているゲームでも,ほかの人の話を聞いていると,納得できる点や意外な着眼点での話があってとてもよかった。

 ただ,運営側の問題点として,遠くの席に座った人にはボードやカードの様子が見えないということがありました。
 30人も来るのですから当然ですね。そこを見越してカードの拡大資料を用意してくれた方もいてありがたい限りでした。
 次回おこなう際は,OHPのようなものを借りてボード等を投影して見せられるようにできるといいなと思っています。


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 想像図。写真はCASIOマルチプロジェクションカメラYC-400のウェブページ(http://www.tokusawa.net/projector/yc_400/detail2.html
より引用。


 そしてプレゼンの内容ですが,大きく分けて3タイプの話があったかと思います。

  • 自分がそのゲームで好きなところを中心にした話
  • そのゲームの面白いと思うところを中心にした話
  • そのゲームのルールの説明を中心にした話

 先に言っておきますが,「どのタイプが正解」だとか「どのタイプが一番いい」とか,そういった話ではありません。

 というのは「ボドがたり!」のルール説明時にこのように書いたからです。

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 「とにかくアツい想いを語りたい!」のであればそのゲームの好きなところが中心になるかもしれませんし,「このゲームを遊びたいんだ!」という想いで話すのであればゲーム参加への敷居を下げるためにルールの説明が中心になるかもしれません。そんなこともないかもしれません。

 いずれにしても,もしその不統一感が気になる方がいましたら問題は未整備のルールの方にあります。
 
 また,今回は話の中で「トリックテイク」等のいわゆる「ボードゲーム用語」が多く使われていました。
 今回はボードゲーム経験の少ない方がそれほど多くなかったですし,そのそも5分という短い時間の中で自分の想いを伝えるなら,できるだけ長い言葉は短く言い換えたいでしょうから,何の問題もありません!

 そもそも「ボドがたり!」の主役はアツい想いを語ってくれるプレゼンターのみなさんです。5分をどう使おうが,どんな用語を使おうが,皆さんの自由です!

 ……プレゼンターの自由ならわざわざそんなことを書く必要がないじゃないかという声が聞こえてきそうですね。
 これは私の個人的な問題なのですが,「話のタイプの統一」でしたり「わかりやすい用語を使う」というのが仕事柄とても気になってしまうんです……。
 
 「ガッツリ専門用語使ってる! 大丈夫!? 聞いてるみんなついてきてる!?」と思うこともあったのですが,後で感想を聞くと特に問題なさそうでしたので完全に私の取り越し苦労でした。完全に病気です。
 
 頭では「主役はプレゼンター! 好きに語ってください!! 聞いてる側なんて置いて行くくらいの熱量の話を聞きたい!」と思っているのですが,実際に聞くと「聞いてる人大丈夫かな……」と思ってしまうあたり,もしかしたら私はこのイベントに向いていないかもしれません。
 

 そんな話は置いておくとして,5分という各プレゼンターの持ち時間はちょうどよかったかと思います。
 もしルールの説明に終始しようとした場合,きちんと説明するには短く,おおまかに説明するには長く。帯に短し襷に長しなので,なにかしらの要素を1つはプラスする必要がありそうでした。時間は次回以降も5分で進めていこうと思います。


 それと今回はプレゼンターみなさんが気を使って(?)適度なプレイ時間のゲームを持ってきていただいたので非常に助かったのですが,「ボドがたり!」の後はプレゼンターの方が紹介したゲームを優先しておこなうということにしていたので,「ディセント」「ディプロマシー」などのように4〜5時間かかるゲームを紹介するのは難しいかもしれないと思いました。
 もちろん,「ゲームはプレイしなくてもいいから話を聞いてくれ!!」ということなら問題ないのですが,そのあたりのルールが未整備です。

 ただプレイ時間に関しては「今回のボドがたりは60分以内で終わるゲーム限定」等,回によってレギュレーションを決めるといいかもしれません。
 今回は「自作ゲームのみ不可」というかなりの自由度だったにも関わらずうまく終えられたのはプレゼンターのみなさんが気を利かせてくれたおかげです。
 本当にありがとうございました。


 「せっかくボードゲーマーが集まって話をするんだから1位を決めよう」ということで各回のM.V.P.を決めました。
 投票の基準が「このプレゼンターと,このゲームで遊びたい!」と思ったものということで,話の中でルールの説明をすると票を集めやすかった印象もありました。
 そのあたりは参加者や雰囲気,そしてもちろんプレゼンターさんの熱量によってくるところだと思っているので,あまり気にしていません。


 さて。「ボドがたり!」開始前に数名の方から「動画の公開はしないんですか?」と聞かれましたが,今回は録画等おこなっていません。
 ただ,それも面白そうだなとは思っているので,次回はプレゼンターの募集の時点で

  1. 録画・顔出しOK
  2. 録画OK・顔出しNG
  3. 録音OK
  4. 録画・録音一切NG

 くらいの4択から1つを選んでいただいて,許可が出れば動画を公開してもいいかなと思っています。そのあたりは次回開催までに検討します。
 このルールでやるとしたら試しに私が2あたりで参加しようと思います。


■ゲームの話

 ゲーム!
 楽しかったです!
 写真はふうかさんがUPしてくださっています!
 fu-ka.livedoor.biz

 ほかにもボドがたりに参加していただいた方がブログを書いてくださっているので,ここに関しては詳細は割愛します。
 最後に各ブログへのリンクを貼っておくのでご覧ください。

■イベントについてのもうちょっと細かい話

 今回,会場を準備するにあたって気をつけた点を2点挙げましょう。

  • 「ボドがたり!」をしやすいこと
  • ゲームで遊びやすくすること

 「何を当たり前のことを」という感じの項目ですね。
 もう少し詳しく見てみましょう。

・「ボドがたり!」をしやすいこと

 今回のメインのイベントです。
 人前で話すイベントなので,何が必要かといえば各プレゼンターの名前とゲーム名残り時間を表示するためのプロジェクター

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 再び翔さんの「ドラスレ」。左側にあるように,名前や残り時間を表示した。

 また,念のためマイクも用意していましたが今回は使用しませんでした。

 上でも反省点として書きましたが,OHPのようなものは必要でした。次回から用意します。

・ゲームで遊びやすくすること

 これについてはいくつか工夫してみました。
 まずは各テーブルに用意した

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 カードを使ったゲームなどをするときに机に敷く。

 これはプレイマット代わりに机に敷いてもらうためのものです。
 これがあるのとないのとでは机においたカードの取りやすさが段違いです。

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 机に直接置いたカード。とても取りにくい。

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 今回の布(フリース地)の上に置いたカード。取りやすい!

 そしてこちらも各テーブルに置いたホワイトボードイーゼル

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 写真奥にあるのがホワイトボード。イーゼルに立ててある。

 これには今遊んでいるゲーム名おおよその終了予定時間を書いてもらいました。
 これを用意することで「あ,このゲームがボドがたりで話していた〇〇か」とわかりやすくなり,気になっていたゲーム名を見かけたら気軽に見学できるようになる……ことを狙いました。
 また,終了予定時間を書くことで,「このゲームはもう少しで終わるから,それが終わったらメンバーを入れ替えて別のゲームをしよう」等の調整がしやすくなるかと思いました。
 
 そして3色の名札。

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 赤・黄色・青の名札

  • 赤の名札はあまりボードゲームをしたことがない人向け,
  • 黄色の名札はある程度のボードゲーム経験がある人向け,
  • 青の名札は「ボードゲーム経験があって,何かわからないことがあれば質問してもいいよ」という人向け

 ということで,好きなひとつを選んでもらいました。

 が,正直これは微妙だったかもしれません。
 もともと,あまりゲームをしたことがない人が質問をしやすいようにということで分けたのですが,今回はそもそも赤い名札を選ぶ人が少なかったこともあり,あまり有効ではなかった印象です。
 また,青の名札と黄色の名札のちがいがわかりにくかったり,「質問してもいいよ」というのが漠然としすぎていて青を選びにくかったようです。
 もし次回おこなうのであれば,青を「『トリックテイク』や『ゲーマーじゃんけん』など,ボードゲーム用語でわからないものがあったら質問してね」くらいの「ボードゲーム用語を知ってるよ!」という絞り方にしようかなと思っています。
 また,その分け方にすれば「ボドがたり!」のときに聞く人の名札の色を見て,「あ,今回は赤の人が多いからあまり専門用語は使わないほうがいいかも」ですとか「今回はみんな青だから遠慮なく好きな言葉を使っていこう」など考えられるかもしれません。
 
 そして飲食用テーブル。今回,飲食用テーブルとボードゲーム用テーブルは完全に別にしました。(フタ付き飲料のみボードゲームテーブルへの持ち込み可)

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 飲食用のテーブルとみなさんからいただいたお土産。
  
 私自身,若干潔癖症の気があるのでできるだけゲームは汚したくない。せっかく持ってきてくれたゲームならなおさらです。
 ということで飲食用のスペースを別で用意しました。


■次回への反省まとめ

 ということで,次回「ボドがたり!」に向けての反省点まとめです。

  1. ボードゲームのカード等を拡大して見せるためのOHPのようなものを用意する
  2. 「ボドがたり!」のルールの再整備
  3. (必要であれば)「ボドがたり!」でレギュレーションを設ける
  4. 色名札システムの調整
  5. ゲームをしていない(次に何をしようか迷っている)人たちへの対応を考える
  6. 持ち込んでもらうゲームのリストをつくる
  7. 会費は目算よりもちょっと多めに設定しておく

 ここまでで話していないいくつかのことについてお話をしましょう。
 まず4の「ゲームをしていない(次に何をしようか迷っている)人たちへの対応を考える」について。
 ひとつのゲームが終わると,メンバーの入れ替えだったり,次のゲームを選んだりするための空き時間ができます。
 メンバーの入れ替えが起こると新しいゲームに入るタイミングを失ってしまう人も出てしまうので,そのあたりのケアもしたかったのですが今回はうまくできず……。
 この辺りのことは,以前一度「ボードゲーム社交界」に参加した際のだてあずみさんの対応がとても良かったように記憶しているので,参考にしつつ次回にいかせればと思っています。

 続いて5の「持ち込んでもらうゲームのリストをつくる」です。今回は開催前日になって,「持ち込んでもらうゲームを教えてもらって,リストを作っておけば便利なんじゃないか!」と思いつきました。

 ゲームのリストについてはこのようなイメージです。
henbodo.hatenablog.com

 ひらめいたのですが,今回はさすがに制作する時間がなく断念。
 
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 最終的にこんなにたくさんのゲームを持ち込んでいただきました。

 しかし,今回は紛失対策や簡易リストとして,ゲーム所有者の方々に持ち込んだゲーム名を書いていただいたので,次回までにそれをもとにゲームリストの雛形を作っておきます。
 次回開催時には,その雛形を活かしてリストを作って持っていきます。きっと便利!!……だと思います。

 また,6の「会費は目算よりもちょっと多めに設定しておく」について。
 これは予算を多少多めに取っておけば,急な「あ! あれを用意したら便利かもしれない!!」というひらめきに対応することができます。
 今回は多少多めに会費を設定したおかげで,思いつきでプレイマット用の布を買うことができました。
 便利そうなひらめきはどんどん実行していきたいので,次回も今回程度の参加費になるかと思います。



 というわけで第一回ボドがたり!でした。
 ごちゃごちゃと書いてしまいましたが、とてもおもしろいイベントでした!
 大勢の方に参加していただいて無事に終わり,いろいろと改善して次回以降も行えればと思っていますので,興味がありましたらよろしくお願いします!

 ボドがたりは怖い場所じゃありません! どなたもどうぞお入りください。決してご遠慮はありません。
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「ボドがたり!」に参加していただいた方々の記事紹介(公開時間順)

fu-ka.livedoor.biz

「ボドがたり!」第1回、行ってきました。 - ぷらとん―マイナーゲームのために(埋め込みができないようですので文字のみで失礼します)

maybamu.hatenablog.com

halbarad.seesaa.net

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