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編集者はボードゲームの夢を見るか

ボードゲーム好きな新人編集者のブログ。ボードゲームの本を作りたい。

テキサス・ゾンビーズ

ゲーム紹介

 今日は暖かくてゾンビ日和でしたね。
 というわけで本日紹介するのはこちら。

テキサス・ゾンビーズ

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人数:3〜6人
ルールの覚えやすさ:★☆☆☆☆
プレイの難しさ:★☆☆☆☆
プレイ時間:15分

 知恵と勇気と勢いでピンチを切り抜けろ!

■目次

 ▶ゲームの紹介/概要

 ▶ゲームの流れ

 ▶プレイ感


■ゲームの紹介/概要

 みなさんはテキサス大学の学生です。
 ある日,暇つぶしに友人たちと砂漠にある廃軍事基地にやってきました。
 するとなんということでしょう!

 その軍事基地はメキシカンマフィアの秘密実験場になっていたのです!
 その実験場で,マフィアたちはゾンビの開発に成功していました……

 みなさんはたまたま持ち合わせていたいくつかの道具をうまく使い,ゾンビとマフィアが跋扈する廃軍事基地からの脱出を目指します。

 まずは少しでも出口発見の可能性を上げるため,2チームに分かれましょう。

 おっと。
 所属チームは他のプレイヤーに秘密にしなくてはいけません。
 敵チームにバレると脱出を妨害されるかもしれませんからね。
 もちろんみなさんは友人どうしですから,そんな心配は無用だとは思いますが。

 さぁ,手持ちの道具を確認したら脱出への行動を開始しましょう。


■ゲームの流れ

 このゲームではターン制で進行していきます。
 一番最近ゾンビに遭遇した人が開始プレイヤーになります。
 開始プレイヤーが決まったら,その後はチーム関係なく時計回りにゲームを進めます。

 さて。ゲームが始まったらまずは所属陣営を決めましょう
 全員でまとまって出口を探すよりも二手に分かれた方が効率がいいですからね。

 と,いうのはフレーバー上の建前。チームを分けるゲーム的な理由は後ほど説明します。

 さて,各プレイヤーは陣営カードを1枚引きます。
 それぞれの陣営は
 チーム・ダーウィン&ドラゴンズ

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 チーム・ベータ・ラムダです。

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 謎のチーム名と無くてもいいのにかっこいいカード。これだけでこのゲームを買ってよかった。

 自分の陣営は他のプレイヤーには秘密にしてください。その理由も追ってご説明します。

 二手に分かれたら,みなさんが脱出のために使える道具を確認しましょう。
 アイテムカードの山からアイテムカードを3枚引きます。

 これがアイテムカード。左側2枚は裏向きです。表にすると,右のナイフのように道具が描かれています。
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 この3枚のカードがみなさんの手札になります。

 これらの道具は,みなさんがたまたま持ち合わせていたものや,その辺りで拾った道具です。脱出の役に立つものも,全く使い道が思いつかないものもあるでしょう。

 さあ,開始プレイヤーを突然の不幸が襲います!

 イベントカードを1枚めくりましょう。
 
 これがイベントカード。今度は一番右だけが裏向きです。裏側には1〜3までの数字が,表面には様々なイベントが描いてあります。
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 イベントカードをめくるとゾンビに襲われたり,マフィアに遭遇したり,もっと奇妙な状況に遭遇したり…… 
 とにかく良くないことが起こります

 ターンプレイヤーは,手札にある道具カードを指定された枚数使用してこの状況を切り抜けてください
 ……切り抜ける? 一体どうすればいいのでしょうか。

 たとえばこのイベントカードを引いたとしましょう。

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 ゾンビが攻撃してきた! 奴らは鎖でひとつなぎにされている。このチャンスを逃す手はない!
 
 使用枚数の指定は山札の一番上のカードに書かれた数字です。

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 今回は3。3枚の手札を使わなければいけません
 ここで手札のカードを確認しましょう。

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 「双眼鏡」「カメラ」「チェーンソー」

 なかなか良い手です。このターンの動きは決まりました。
 では行動を開始します。

 ……遠くにゾンビがいるようだ。奴らはなにやら不自然な動きをしているが,ここからでは遠すぎて何をしているのかわからない…… 俺は「双眼鏡」を使ってやつらの様子を確認した。
 なるほど。どこかから逃げ出してきたのか,やつらは一本の鎖で繋がれている。動きにくそうだ…… 叩くなら今しかない。

 やつらが思うように動けないのをいいことに,俺はどんどん近づいていった。
 そして十分近づいて「カメラ」のフラッシュを炊いた――突然の光に怯んだのか,やつらの動きが止まった!
 この隙に「チェーンソー」を使う! 動く死体共をもう一度地獄に送り返してやる!

 こうして俺はこのピンチを切り抜けた――完


 おわかりいただけたでしょうか。
 要するに,手札のカードを指定枚数使い,ピンチを切り抜けるストーリーを作ればいいということです。
 「キャット&チョコレート」というゲームと同じシステムですね。


 そして1人がストーリーを発表し終えたら,そのストーリーでピンチを切り抜けることができたかどうかの判定に入ります。

 ターンプレイヤー以外のプレイヤーで成功か失敗かの投票を行います。
 過半数が「成功」に投票すればそのイベントを無事切り抜けたことになります。イベントカードを手元に置きましょう。
 過半数が「失敗」に投票していた場合,そのイベントを切り抜けることができませんでした。ですが幸い命は取り留めたようですので,引き続き脱出を目指します。イベントカードは捨て札にします。

 「成功」「失敗」いずれの場合でも投票後,手札が3枚になるまで新しいアイテムカードを引いて次のプレイヤーにターンが移ります。

 これを繰り返し,全員が3回ずつイベントに挑戦したらゲーム終了です。

 それぞれのチームを公開し,チームごとに獲得したイベントカードの枚数(=無事切り抜けたイベントの数)を比べます

 イベントカードの枚数が多いチームのみなさん,おめでとうございます! みなさんは無事に基地を脱出することが出来ました!

 もう一方のチームのみなさん……は残念ながら脱出することができませんでした。力尽きるまでゾンビと戦い続け,力尽きたその後はゾンビとしてマフィアの労働力になってください。


■プレイ感

 これが面白いんですよ。わたしは大好きです。

 このゲームで重要なのは,まず一見役に立たなそうな道具を上手く利用する知恵です。

 「キュウリにそんな使い方があったか……」「ハンガーと紙飛行機を組み合わせてそんなことができるなんて……」など,誰もが予想もしなかった方法でピンチを切り抜けたときの気分の良さはひとしおです。

 そしてもう一つ重要なのが,妄想力です。

 成功/失敗の投票の際,「どんな基準で成否を決めればいいか」が示されていないことに気がついたでしょうか。
 その基準は「投票者がストーリーに納得できたかどうか」です。細かい理由付けは各投票者に任されています。

 「その話はつじつまが合っているから」でも構いませんし,「道具をうまく使えているから」でも構いません。「普通は無理だけどこいつにならできそう」でもいいですし,極論「面白かったから」という理由で成功に投票しても構いません。
 (本当はルール上ちょっと問題がある気もしますが,厳密にルールに従わなければいけないようなゲームでもないでしょう)

 つまり,ストーリーを組み立てる立場としては,どんなストーリーにしてもいいのです。「危機的状況を切り抜ける」わけですが,イベントカードにはその危機の詳細までは書いていません。これはきっと「細かいことは勝手に決めろ」ということなのでしょう。自由に妄想しましょう。

 たとえばこのイベントカードを引きました。

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 昨晩いなくなった体育教師がひょっこり戻ってきた。でもこれって本当にいいニュース?

 体育教師はゾンビになっていても構いませんし,普段からこんな感じの眼が赤いゾンビみたいな人だったという設定にしても構いません。その設定・ストーリーで投票者を納得させることができるのであれば,ではありますが。
 同様に,道具についての設定も自由です。

 先の体育教師のイベントにこんなカードで挑むとしましょう。

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 「口紅」「爪切り」「バナナ」

 みなさんならこんな道具で使用するカードが1枚だった場合,どう切り抜けますか? わたしならこうしましょう。


 ――帰ってきた体育教師はあきらかにゾンビになっている。普段からこんな感じの眼が赤いゾンビみたいな人だった,なんてことはなかった。ゾンビになった以上あいつは敵だ。またチェーンソーで粉々にしてやる! 手元を見るといつの間にかチェーンソーは無くなっており,代わりにあるのは「キュウリ」「バナナ」「針金ハンガー」
 慌てるな。まずはバナナを食べ…… ようとしたら中から男の子が出てきた! バナナから生まれた彼をバナナ太郎と名付けよう
 そして成長したバナナ太郎がゾンビを倒して金銀財宝を持ち帰ってきました。めでたしめでたし。

 極論を言えばこんなストーリーでも構いません。もちろん他のプレイヤーを説得できるかどうかはわかりませんが。

 ターンプレイヤーになったら知恵と妄想を働かせて楽しみましょう!

 そしてチームを分ける/他のプレイヤーに明かさない理由は投票にあります。
 もしお互いのチームが分かっていた場合,敵チームのストーリーに対してはとにかく「失敗」を出しておくというような人がいないとも限りません。それを防ぐためのチーム分け……なのですが,正直チームを分けなかったとしても,このゲームでそんな興ざめなことをするひとはいないと思いますが。

 というこのゲーム,好き嫌いがかなり別れるゲームだとは思います。
 良くも悪くも自由なので,どうしたらいいのかわからないということもあるでしょうし,全員が常にまじめに脱出を目指してもちょっと面白みに欠けるかもしれません。かと言って毎回ネタに走るのもそれはそれで興ざめではあります。

 バランスをとることが難しいかもしれませんが,ちょっとお酒を飲みながらわいわい遊ぶには良いゲームです。

 ……お酒を飲みながらわいわいとゾンビをコマ切れにするのもどうかとは思いますが。




 ちなみに小説にもなっているようです。
 私は読んでいないので内容は存じ上げませんが。


 テキサス・ゾンビーズは現在流通していないようですが,同じゲームシステムの「キャット&チョコレート」はいくつもシリーズが出ています。

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